SSL化(https)とは?店舗のホームページにも関係ある?

仕組みをひと言で

SSL(正確には後継のTLSという技術)は、通信の内容を暗号化する仕組みです。暗号化されていない通信は、同じWi-Fiにいる第三者が内容を読み取れる可能性があります。SSL化すると、途中で読まれても意味の分からないデータになります。

もう1つの役割が「なりすまし防止」です。SSL証明書は「このドメインの持ち主が運営しているサイト」であることを示し、偽サイトと見分ける手がかりになります。

httpとhttpsの違い

項目 http https
通信の中身 そのまま流れる 暗号化される
ブラウザの表示 「保護されていない通信」「安全ではありません」 鍵マークや設定アイコン(ブラウザにより異なる)
フォーム入力 第三者に読まれる可能性がある 守られる
検索評価 不利になりやすい Googleが評価要素として公表
一部のブラウザ機能 位置情報の取得などが使えない 使える

「うちは予約フォームがないから関係ない」は誤解

フォームがなくても、警告表示はすべてのhttpページに出ます。営業時間を確かめに来たお客様が「保護されていない」の文字を見て閉じてしまえば、フォームの有無は関係ありません。また、将来ネット予約やLINE連携を足すときにも、SSL化は前提になります。

SSL化していないと起きる4つのリスク

リスク1:「保護されていない通信」の表示で初見のお客様が離れる

主要なブラウザは、httpのページを開くとURL欄に「保護されていない通信」(Chrome)や「安全ではありません」(Safari)と表示します。常連のお客様は気にしないかもしれませんが、初めて検索でたどり着いた人にとっては「この店、大丈夫?」という第一印象になります。

入力欄に文字を打ち始めると、警告がさらに目立つ形で表示されるブラウザもあります。せっかく予約フォームまで進んだ人が、そこで手を止める原因になります。

リスク2:フォームの入力内容が第三者に読まれる可能性

予約フォームや問い合わせフォームには、名前・電話番号・メールアドレス・来店希望日が入力されます。httpのままだと、カフェや駅の公共Wi-Fiなどで通信を盗み見られるおそれがあります。お客様の個人情報を預かるお店として、避けるべき状態です。

リスク3:検索で不利になりやすい

Googleは、httpsを検索順位の評価要素の1つにしていると公表しています。影響は小さいとされていますが、「〇〇駅 美容室」のように競合の多い検索では、同じような内容ならhttpsのサイトが優先されやすくなります。SSL化しただけで順位が上がるわけではない点は、押さえておいてください。地域名検索の考え方は「地域別ガイド」で整理しています。

リスク4:一部の機能や連携が使えない

位置情報の取得など、ブラウザの一部機能はhttpsのページでしか動作しません。また、Instagramや広告の遷移先、外部の予約システムとの連携でも、httpsが前提になっていることが増えています。

自分のホームページがSSL化されているか確認する方法

3ステップで確認

  1. スマホやパソコンで自店のホームページを開き、URL欄を見る。「https://」で始まっていればSSL化済み
  2. URL欄に「http://自店のドメイン」と手で打って開く。自動で「https://」に切り替われば、転送(リダイレクト)も設定済み
  3. トップページだけでなく、予約フォーム・メニュー・アクセスのページでも同じように確認する

スマホのブラウザでは「https://」が省略表示されることがあります。URL欄をタップすると全文が見られます。

「一部保護されていない」と出る場合

https化したのに警告が消えない場合、ページの中に「http://」で読み込まれている画像や埋め込みが残っていることがほとんどです。これを「混在コンテンツ」と呼びます。古い画像や、コピーして貼り付けた地図・SNSの埋め込みコードが原因になりやすいので、該当箇所を「https://」に直します。

確認チェックリスト

確認項目 確認
トップページのURLがhttpsで始まる
httpで開いてもhttpsに自動で切り替わる
www有り・無しのどちらで開いても同じページに着く
予約・問い合わせフォームのページもhttps
「一部保護されていない」の警告が出ない
Googleビジネスプロフィールに登録したURLがhttps
SNSプロフィール・名刺・チラシのURLがhttps

SSL化のやり方と費用の考え方(自分で/制作会社/月額制)

大まかな流れ

  1. SSL証明書を発行する(レンタルサーバーの管理画面から申し込めることが多い)
  2. サーバーでhttpsを有効にする
  3. ページ内の画像・リンク・埋め込みのURLをhttpsに直す
  4. httpからhttpsへ自動で転送する設定(リダイレクト)を入れる
  5. Googleビジネスプロフィール・SNS・サーチコンソール・ポータルのURLを更新する

画面の表記や手順はサーバー会社によって異なります。管理画面に「無料SSL」「常時SSL」といったメニューがあれば、そこから始められます。

証明書の種類:店舗サイトはDVで十分

証明書には、ドメインの所有だけを確認する「DV」、組織の実在を確認する「OV」、より厳格な「EV」があります。暗号化の強さは同じで、違いは審査の内容です。店舗のホームページであれば、DVで問題ありません。DVには無料で発行できるものもあり、多くのレンタルサーバーが標準で対応しています。

無料のホームページ作成ツールを使っている場合

無料プランでは独自ドメインでのSSL対応に制限がある場合があります。「独自ドメイン」「SSL」の2点が使えるプランかどうかを、公式サイトで確認してください。ツールごとの制約は「無料ホームページ作成ツールのデメリット」で整理しています。

月額制のサービスを使っている場合

月額制のホームページサービスでは、サーバー・ドメイン・SSLが月額に含まれ、証明書の更新も運営側が行うことが多いです。契約前に「SSLは含まれるか」「証明書の更新は誰がやるか」を確認しておくと安心です。HARE PAGE 店舗では、サーバー・ドメイン・SSLと公開後の修正が月額に含まれています。

費用全体の考え方は「ホームページの維持費」を参考にしてください。

制作会社に依頼するときの伝え方

自店のホームページを開くと「保護されていない通信」と表示されます。SSL化(https化)と、httpからの転送設定、ページ内の画像やリンクの修正までお願いできますか。費用と、証明書の更新が誰の担当になるかを教えてください。

「証明書の更新は誰がやるか」を最初に決めておくと、後述の期限切れトラブルを防げます。

SSL化した後に気をつけること

証明書の期限切れ

SSL証明書には有効期限があります。更新を忘れると、ある日突然「この接続ではプライバシーが保護されません」といった全画面の警告が出て、ほとんどのお客様がページを開けなくなります。自動更新になっているか、なっていなければ更新日を誰が管理するかを決めておきます。

混在コンテンツと古いURLの残り

ページを追加したときに「http://」の画像や埋め込みを貼ると、そのページだけ警告が出ます。新しいページを公開するたびに、スマホで開いて警告の有無を確認する習慣をつけてください。公開時の確認項目は「ホームページ公開前・公開後のチェックリスト」にまとめています。

Googleビジネスプロフィール、Instagram、LINE、ポータルサイト、名刺やチラシに載せたURLが「http://」のままになっていないかも確認します。転送設定があれば開けますが、余計な待ち時間が発生します。

SSL化は「安全なサイト」の一部にすぎない

SSLが守るのは通信の途中だけです。WordPressやプラグインの更新を放置したり、簡単なパスワードを使ったりすれば、サイト自体が乗っ取られるおそれは残ります。SSL化とあわせて、更新とパスワード管理、バックアップも保守の項目に入れてください。「表示速度を速くする方法」で紹介している月1回の点検と同じタイミングで見直すと、忘れにくくなります。

よくある質問

SSL化にお金はかかりますか?

証明書の種類とサーバーによって異なります。店舗サイトで十分なDV証明書には無料のものがあり、多くのレンタルサーバーや月額制サービスでは標準で含まれています。制作会社に設定を依頼する場合は、作業費がかかることがあります。

SSL化すると検索順位は上がりますか?

Googleはhttpsを評価要素の1つとしていますが、影響は小さいとされ、SSL化だけで順位が上がるとは言えません。順位よりも「警告でお客様を逃さない」「フォームの入力を守る」ための対応と考えてください。

「保護されていない通信」が出ているのに、お客様から何も言われません。

言わずに離れているだけの可能性があります。特に初めて検索で訪れた人は、警告を見て黙って別のお店に移ります。常連からの指摘がないことは、問題がないことの証明にはなりません。

SSL化したのに警告が消えません。

ページの中に「http://」で読み込まれている画像や埋め込みが残っている「混在コンテンツ」が原因のことがほとんどです。該当ページの画像・地図・SNS埋め込みのURLをhttpsに直してください。

まとめ

  • SSL化は通信を暗号化してURLをhttpsにすること。店舗サイトでも必要
  • 未対応だと「保護されていない通信」と表示され、初見のお客様の信頼とフォームの安全性を失う
  • 確認はURL欄を見る・httpで打って転送されるか・フォームページでも確認の3ステップ
  • 店舗サイトはDV証明書で十分。無料のものもあり、月額制サービスでは含まれることが多い
  • 対応後は証明書の期限切れ、混在コンテンツ、各媒体の古いURLに注意
  • SSLは通信の保護だけ。更新・パスワード・バックアップとセットで保守する
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。