ホットペッパーグルメの掲載料と手数料の仕組み

飲食店向けのグルメサイトの費用は、大きく「載せるための費用(掲載料)」と「予約が入ったときの費用(手数料)」に分かれます。この2つを分けて理解すると、営業担当者の説明も見積書も読みやすくなります。

掲載料:プランによって枠と機能が変わる

掲載料は月額固定で、プランによって「サイト内検索での表示のされやすさ」「掲載できる写真・メニュー・クーポンの数」「特集ページへの露出」などが変わるのが一般的です。上位のプランほど、エリアやジャンルで検索したときに目に入りやすい位置に載ります。

時期や条件によっては、無料で掲載できる枠が用意されていることもあります。ただし無料の範囲で載せられる情報は限られ、露出やクーポン、ネット予約の機能は有料プランで広がるのが通常です。「無料でどこまでできるか」は変わりやすいので、公式サイトで確認してください。

予約手数料:ネット予約1人ごとに発生する場合がある

お客様がサイト上で予約すると、お店の予約台帳に予約が入り、お客様にはポイントが付く仕組みが一般的です。そのポイントの原資などとして、お店が「予約人数×単価」の手数料を負担する形が広く使われています。

ランチとディナーで単価が違う、コース予約だけが対象、といった条件が付くこともあります。電話での予約やふらっと来店したお客様は対象外とされるのが一般的ですが、対象範囲と単価は契約書で確認してください。掲載料が安いプランでも、ネット予約が多い店ほど手数料の合計は大きくなるという点が、見落とされがちなポイントです。

混同しやすい「ホットペッパービューティー」との違い

「ホットペッパー 掲載料」で調べると、美容室・サロン向けの「ホットペッパービューティー」の情報も混ざって出てきます。どちらもリクルートが運営していますが、飲食店向けはホットペッパーグルメで、料金体系も別です。サロンの方は「ホットペッパービューティーの掲載料はどう決まる?」を参照してください。

月間の総コストを自店で出す方法

「掲載料は払えているから大丈夫」と思っていても、手数料とクーポンを足すと印象が変わることがあります。毎月、次の4つの費目を1枚の表にまとめてください。

費目は4つ

費目 内容 どこで分かるか
掲載料 月額固定(税別) 請求書・契約書
ネット予約の手数料 予約人数×契約上の単価 管理画面の予約実績と契約書
クーポンの値引き分 自分で設定した割引の合計 会計データ
作業時間 メニュー更新・写真・口コミ返信 自分の記録

作業時間はお金ではありませんが、店長の時給に換算して足しておくと、他の集客手段と比べやすくなります。

計算例(数字はすべて仮のものです)

仮に、月の掲載料が5万円、ネット予約が月に150人で契約上の手数料単価が200円、クーポンの値引きが月に2万円だったとします。総コストは「50,000円 + 30,000円 + 20,000円 = 100,000円」です。掲載料だけを見ていると、半分しか把握できていないことになります。

実際の手数料単価や対象は契約によって異なるので、自店の契約書の数字に置き換えて計算してください。

1組あたりのコストに直して、粗利と比べる

総コストを「掲載経由で来店した組数」で割ると、1組あたりの獲得コストが出ます。先ほどの例で、掲載経由の来店が月に60組なら、1組あたり約1,700円です。

これを1組の粗利と比べます。客単価4,000円で平均2.5人、原価率30%なら、1組の粗利はおよそ7,000円です。獲得コストが粗利を下回っていれば、初回来店だけでも赤字ではありません。逆に、クーポンを強くしすぎて粗利が薄い店では、獲得コストが粗利を上回ることもあります。

毎月のコストシート

項目 今月 先月 3か月前
掲載料
ネット予約の手数料
クーポン値引きの合計
総コスト
掲載経由の来店組数
1組あたりの獲得コスト

3か月分並べると、「繁忙期は手数料が跳ね上がる」「閑散期は掲載料が丸ごと固定費になる」といった、自店の季節パターンが見えてきます。

ネット予約の依存度を測る3つの指標

総コストが分かったら、次は「その予約は、ポータルがなくても入っていたのか」を考えます。ここで使うのが依存度の指標です。3つとも、予約台帳に「予約経路」の欄を作れば集計できます。

指標1:予約経路の比率

「ポータル経由の予約組数 ÷ 全予約組数」を出します。分母には、電話・自社サイト・Googleビジネスプロフィール・LINE・SNS・予約なしの来店をすべて含めます。目安として、この比率が半分を超えていれば、掲載を止めた瞬間に予約が大きく減る状態だと考えてください。

依存度の測り方と下げ方の全体像は「ポータルサイト依存から抜け出す3ステップ」で詳しく説明しています。

指標2:曜日・時間帯の偏り

ポータル経由の予約を、曜日と時間帯で分けてみてください。金曜・土曜の夜に集中しているなら、それは「もともと埋まりやすい時間帯を、手数料を払って売っている」状態かもしれません。

逆に、平日や早い時間の予約がポータルから入っているなら、ポータルが空席を埋める役割をきちんと果たしています。この場合は、手数料を「空席対策の費用」として納得しやすくなります。

指標3:クーポン利用率と客単価の差

ポータル経由のお客様と、それ以外のお客様で、平均客単価とクーポン利用率を比べます。ポータル経由の客単価が大きく低いなら、集客の主役はお店ではなく「割引」になっています。割引で来たお客様は、次も割引のある店を探す傾向があるため、再来につながりにくい点に注意が必要です。

3つの指標を見るときの判断表

状態 読み取り方 次にやること
経路比率が高く、週末に集中、単価が低い 依存度が高く、利益も薄い 予約の分散を最優先で始める
経路比率が高いが、平日の予約が多い 依存はしているが、空席を埋めている 続けつつ、再来を自社導線へ
経路比率が低い 掲載は「補助」の役割 プランを下げられないか検討する

予約を自社サイト・Googleビジネスプロフィールに分散する手順

ポータルをやめる必要はありません。「新規の出会いはポータル、2回目からは自社」と役割を分けるだけで、手数料の合計は減っていきます。順番どおりに進めてください。

ステップ1:Googleビジネスプロフィールに予約の入口を置く

「地域名×ジャンル」で探す人の多くは、Googleマップでお店を見つけます。プロフィールに予約ページのURLや「予約」ボタンを設定しておくと、地図から直接予約が入る導線ができます。設定の考え方は「「Googleで予約」ボタンを表示するには?」を参照してください。

営業時間・メニュー・写真・口コミ返信も整えておくと、ポータルを見ずに予約する人が増えやすくなります。

ステップ2:自社サイトに予約ページを用意する

自社サイトからの予約には、ポータルの手数料がかかりません。予約システムを埋め込むか、最低でもLINEや電話につながるボタンを目立つ位置に置きます。メニューと価格、席や個室、アクセスといった「予約前に確認したい情報」を同じサイト内でそろえておくのがコツです。必要なページは「飲食店のホームページに必要なページと作り方」にまとめています。

自社予約への特典を付けるなら、値引きより「ドリンク1杯」「デザート」など粗利を守れるものにします。表示のしかたは景品表示法の一般的なルール(実際と異なる有利な表示をしない)に沿ってください。この記事は法的助言ではありません。

ステップ3:会計時に「次回の予約先」を案内する

一番効くのは、店内での一言です。言い回しの例を挙げます。

  • 「次回のご予約は、こちらのLINEからだと空席をすぐご案内できます」
  • 「ホームページからのご予約の方には、ドリンクを1杯お付けしています」
  • 「宴会のご相談は、お電話かLINEで直接いただけると細かく対応できます」

レジ横のQRコード、ショップカード、テーブルのPOPに同じ案内を入れると、口頭で言えなかったときも拾えます。

ステップ4:常連はLINE、ポータルは「新規の入口」に絞る

再来のお客様がポータルから予約していると、手数料を払い続けることになります。来店客にLINEの友だち登録をしてもらい、2回目以降はLINEか自社サイトから予約してもらう流れを作ってください。これが定着すると、ポータル経由の予約は自然に「初めての人」中心になり、手数料が「新規獲得の費用」として説明できる形に変わります。

分散が進んだら、3か月ごとに総コストと依存度を見直し、プランを下げるかどうかを判断します。地域ごとの検索の傾向は「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

ホットペッパーグルメの掲載料は月にいくらですか?

プラン・エリア・時期によって異なる月額のプラン制です。金額は公式サイトか営業担当者に確認してください。この記事の「総コストの出し方」で、掲載料以外の費用も含めて判断するのがおすすめです。

手数料は電話予約にもかかりますか?

一般には、サイト経由のネット予約が手数料の対象で、電話や来店は対象外とされることが多いです。ただし対象範囲や単価は契約によって違うため、契約書で確認してください。

ネット予約を使わずに掲載だけすることはできますか?

プランや契約内容によります。ネット予約が予約台帳として役立っている店も多いので、やめる前に「どの経路の予約が多いか」を数字で確認してから担当者に相談してください。

掲載をやめると予約はどれくらい減りますか?

予約経路の比率(依存度)によって大きく変わります。急にやめると落ち込みやすいため、Googleビジネスプロフィール・自社サイト・LINEの導線を先に整え、段階的にプランを下げる方法が安全です。

まとめ

  • ホットペッパーグルメの費用は「月額の掲載料」と「ネット予約の手数料」に分かれ、金額はプラン・契約で異なる。公式サイト・契約書で確認する
  • 月間総コストは、掲載料+予約手数料+クーポン値引き+作業時間で出し、1組あたりの獲得コストを粗利と比べる
  • 依存度は「予約経路の比率」「曜日・時間帯の偏り」「クーポン利用率と客単価差」の3つで測る
  • Googleビジネスプロフィールと自社サイトに予約の入口を置き、会計時の一言とLINEで2回目以降を自社導線へ
  • ポータルは「新規の入口」に絞り、3か月ごとに総コストと依存度を見てプランを見直す
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。