SUUMOなど不動産ポータルの掲載料はどう決まる?(課金方式の種類)

不動産ポータルの料金は、飲食や美容のポータルと違って「物件」を単位に組み立てられています。自社がどの方式で契約しているかを把握することが、見直しの出発点です。

掲載枠課金:載せる物件数で月額が決まる

一定数の物件を掲載できる「枠」を月額で契約する方式です。枠の数が多いほど、また上位の商品ほど高くなります。反響が多い月も少ない月も同じ額なので、物件数が多く、反響が安定している会社に向いています。一方で、掲載する物件が少ない時期は枠が余り、割高になります。

反響課金:問い合わせ1件ごとに支払う

掲載自体の費用は抑えられ、メールや電話で問い合わせが入るたびに課金される方式です。物件数が少ない会社や、繁忙期と閑散期の差が大きい会社では、費用が反響に連動するため無駄が出にくいのが利点です。

注意点は「反響の質」です。同じ人からの重複した問い合わせ、条件の合わない問い合わせ、他社の調査目的の問い合わせにも課金されることがあります。どの反響が課金対象で、重複の扱いがどうなっているかは、契約書で確認してください。

オプション:上位表示・写真枠・特集

検索結果の上位に表示する枠、写真の掲載枚数を増やす枠、「おすすめ」などの特集枠が、物件単位や期間単位で追加できるのが一般的です。目玉物件や、決めたい時期に絞って使うと効きますが、常時使っていると固定費になります。

方式ごとの向き不向き

方式 費用の決まり方 向いている会社 注意点
掲載枠課金 枠数 × 月額 物件数が多く、反響が安定 反響が少ない月も同額
反響課金 反響数 × 単価 物件数が少ない、季節差が大きい 質の低い反響にも課金される場合がある
オプション 物件・期間ごと 目玉物件、決めたい時期 使い続けると固定費化する

複数のポータルに載せている会社では、方式の違うものが混在して総額が見えにくくなります。まず「ポータルごとに、どの方式でいくら払っているか」を1枚にまとめてください。

反響単価・来店単価・成約単価で評価する方法

掲載料が高いか安いかは、金額ではなく「1件の反響、1件の成約にいくらかかっているか」で判断します。次の3つの単価を、ポータルごとに毎月出してください。数字はすべて仮のものです。

3つの単価の計算式

  • 反響単価 = そのポータルの月額費用 ÷ そのポータル経由の反響数
  • 来店単価 = 月額費用 ÷ 反響から来店(内見・面談)につながった数
  • 成約単価 = 月額費用 ÷ 成約数

仮に、あるポータルに月30万円払っていて、反響が60件、来店が20件、成約が5件だったとします。反響単価は5,000円、来店単価は15,000円、成約単価は60,000円です。

比べる相手は「1件の成約で得られる粗利」です。仲介手数料や広告料など、成約1件あたりの平均的な収入から、成約単価を引いた額が、そのポータルが残す利益になります。反響数が多くても成約単価が粗利に近いなら、そのポータルは「忙しくなるだけ」の状態です。

反響の「質」を見る:来店率と成約率

反響単価が安くても、来店につながらなければ意味がありません。次の2つの率を合わせて見ます。

  • 来店率 = 来店数 ÷ 反響数(上の例では20 ÷ 60 ≒ 33%)
  • 成約率 = 成約数 ÷ 来店数(上の例では5 ÷ 20 = 25%)

来店率が低いポータルは、条件の合わない問い合わせや、情報収集だけの問い合わせが多い可能性があります。反響課金なら、そうした反響にも払っていることになるので、契約の見直し材料になります。

ポータル別に並べる評価表

媒体 月額費用 反響数 反響単価 来店数 成約数 成約単価
SUUMO
LIFULL HOME'S
アットホーム
自社サイト
Googleビジネスプロフィール

自社サイトの行には、サイトの維持費を入れます。ポータルの成約単価と自社サイトの成約単価を同じ表で比べると、「自社サイトは費用がかかるだけ」という思い込みが数字で確かめられます。多くの場合、自社経由の反響は成約率が高い傾向があります。会社を指名して問い合わせてくる人だからです。

反響を追う仕組みづくりは「不動産の集客方法」でも整理しています。

ポータルに載せる物件と、自社サイトに載せる情報の分け方

ポータルと自社サイトは競合ではなく、載せるものが違います。「全部ポータルに載せて、自社サイトは会社案内だけ」という状態から抜け出すには、次の分け方が実用的です。

ポータルに向いている物件

  • 条件が良く、比較されても選ばれやすい物件(駅近・築浅・相場より割安)
  • 早く客付けしたい物件、空室期間を短くしたい物件
  • 反響課金なら、問い合わせが来やすく、来店につながりやすい物件に絞る

掲載枠課金で枠が余っているなら、反響が見込めない物件で枠を埋めるより、枠数を減らせないか検討する余地があります。

自社サイトにしか載せられない情報

ポータルは物件の比較には向いていますが、「この会社に頼みたい」と思ってもらう情報は載せられません。次の情報は自社サイトの役割です。

  • エリアの暮らし情報:学区、スーパー、通勤経路、子育て環境など、地元の会社だからこそ書けること
  • 管理物件の一覧と、入居中の物件の空き予定
  • 会員登録した人にだけ見せる先行情報や、ポータル未掲載の物件
  • 売主・貸主向けの情報:査定の流れ、管理の内容、実績
  • スタッフ紹介、取引の流れ、よくある質問

ページ構成の具体例は「不動産会社のホームページに必要なページ」で解説しています。

成約済み物件の放置は避ける(法令の一般論)

ポータルでも自社サイトでも、成約済みや取引できない物件を掲載し続けることは、「おとり広告」として景品表示法や不動産の公正競争規約に触れるおそれがあります。掲載情報の更新ルール(成約後は何日以内に落とすか、誰が担当するか)を決めておいてください。この記事は法的助言ではありません。最終的な判断は専門家や所管官庁の資料で確認してください。

「地域名×不動産」検索で受け皿を作る方法

ポータルの費用を下げても反響を落とさないためには、「〇〇市 賃貸」「〇〇駅 不動産会社」のような地域名の検索で、自社が見つかる状態が必要です。物件を探す人だけでなく、売りたい人・貸したい人は、ポータルではなく地域名で会社を探します。

Googleビジネスプロフィールを「店舗」として整える

不動産会社も、Googleマップに店舗として登録できます。カテゴリを「不動産会社」「不動産仲介業者」など実態に合うものにし、営業時間、写真(外観・店内・スタッフ)、扱うエリアと業務内容を書きます。取引後のお客様に口コミをお願いし、必ず返信します。地図検索で会社名が見つかるようになると、ポータルで物件を見た人が「この会社はどんな会社か」を確かめる場所にもなります。

自社サイトにエリアページと物件ページを作る

「〇〇市 賃貸」「〇〇駅 一人暮らし」といった検索で見つかるには、エリアごとのページが必要です。エリアの特徴、家賃相場の傾向、取り扱い物件の一覧、生活情報を1ページにまとめます。物件ページには、写真、間取り、周辺情報に加えて「この物件の担当者」を載せると、問い合わせの心理的ハードルが下がります。地域名の選び方は「地域別ガイド」で、県・市・駅の使い分けを解説しています。

反響の経路を記録し、成約単価で比べる

自社サイトやGoogleビジネスプロフィール経由の反響は、問い合わせフォームや電話で「何を見てご連絡いただいたか」を必ず記録します。この記録があって初めて、先ほどの評価表の「自社サイト」の行が埋まり、ポータルと同じ土俵で比べられます。

見直しの進め方

  1. 評価表を3か月分そろえる
  2. 成約単価が粗利に近い(または上回る)ポータルから、枠の縮小や反響課金への切り替えを担当者に相談する
  3. 減らした費用の一部を、自社サイトのエリアページと物件ページの充実に回す
  4. 3か月後に評価表を更新し、次の見直しをする

一度に全部やめると、反響の入口が細くなります。ポータルの依存度を段階的に下げる考え方は「ポータルサイト依存から抜け出す3ステップ」を参考にしてください。

よくある質問

SUUMOの掲載料はいくらですか?

掲載枠課金・反響課金・オプションの組み合わせで決まり、賃貸・売買などの区分や地域、契約条件によって異なります。最新の料金は公式資料か営業担当者に確認し、この記事の反響単価・成約単価で自社に見合うかを判断してください。

反響課金と掲載枠課金、どちらが得ですか?

物件数と反響の安定性によります。物件が多く反響が安定しているなら枠課金、物件が少なく季節差が大きいなら反響課金が合いやすい傾向です。どちらも成約単価を出して比べてください。

ポータルをやめて自社サイトだけで反響は取れますか?

地域名検索とGoogleビジネスプロフィールで一定の反響を狙えますが、育つまでに時間がかかります。まずは併用し、自社経由の成約が増えてからポータルの枠を減らす順番が安全です。

複数のポータルに載せるべきですか?

エリアによって強いポータルは違うため、最初は複数で試し、ポータル別の成約単価を比べて絞り込むのが現実的です。同じ物件を載せる場合は、情報の更新漏れが起きないよう担当を決めてください。

まとめ

  • 不動産ポータルの掲載料は「掲載枠課金」「反響課金」「オプション」の組み合わせで、方式と金額はポータル・区分・地域で異なる。各社に確認する
  • 評価は金額ではなく、反響単価・来店単価・成約単価で行い、成約1件の粗利と比べる
  • 反響の質は来店率と成約率で見る。質の低い反響に課金されていないか契約を確認する
  • ポータルには比較で選ばれる物件を、自社サイトには暮らし情報・管理物件・会社の情報を載せて役割を分ける
  • Googleビジネスプロフィールとエリアページで「地域名×不動産」の受け皿を作り、経路を記録して同じ表で比べる
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。