撮る前の準備|機材より「片づけ」と「時間帯」

スマホの設定は3つだけ

  • レンズをメガネ拭きなどで拭く(指の脂で全体が白っぽくなるのを防ぐ)
  • カメラの「グリッド(格子線)」表示をオンにする(水平と三分割の目安になる)
  • フラッシュはオフ。暗い場所ではフラッシュより、照明を足すか時間帯を変える

機種による差はありますが、ここ数年のスマホなら、明るい場所での撮影は十分きれいに写ります。ズームは画質が落ちやすいので、自分が寄って撮るのが基本です。

片づけチェックリスト(写真に写ると損するもの)

  • 段ボール、在庫、私物のカバン、上着
  • のぼり旗、ポスターの貼りすぎ、手書きの注意書き
  • ゴミ箱、掃除道具、延長コード、充電ケーブル
  • テーブルの上の調味料・伝票・ペン(料理写真のとき)
  • 鏡や窓に映り込む自分、看板の汚れ、入口の落ち葉

「写真に写る範囲だけ」片づければ十分です。撮影の30分前に、写る範囲を決めてから片づけると効率的です。

時間帯は「外観は2回」「店内は自然光の時間」

外観は、看板が読める昼と、照明が灯った夕方〜夜の2回撮ります。店内は、窓から自然光が入る時間帯(午前〜昼過ぎが多い)が一番きれいに写ります。料理や商品は、窓際のテーブルに運んで撮るだけで、見違えるほど明るくなります。

光・角度・構図の基本(この3つで見違える)

光:窓を横か斜め後ろに置く

被写体に対して、窓(光源)を横または斜め後ろに置く「サイド光・半逆光」が、立体感と料理のツヤを出しやすい配置です。光を背にして撮る「順光」は平面的になり、光に向かって撮る「逆光」はシルエットになりがちです。

影が濃すぎるときは、白い紙やコピー用紙を影の側に立てて光を返すと、簡易のレフ板になります。蛍光灯と自然光が混ざると色が濁るので、可能なら自然光だけ、または照明だけに統一します。

角度:水平を保ち、被写体で高さを変える

被写体 基本の高さ・角度 理由
外観 目線の高さ、道路の向かい側から 初めての人が実際に見る景色と同じにする
内観 目線よりやや低め、部屋の角から対角線に 奥行きが出て、広く見える
料理(丼・パスタ・定食) 斜め45度 高さと中身が両方見える
料理(ピザ・プレート・カフェのテーブル) 真上(俯瞰) 配置と全体が伝わる
施術スペース・ベッド 入口側から、腰の高さ お客様が入室したときの安心感が伝わる
商品(小物・ケーキ) やや上から寄る 質感が伝わる

どの角度でも、グリッドの線と床・棚・テーブルの縁を平行にして「水平」を守ります。傾いた写真は、それだけで雑な印象を与えます。

構図:主役を1つ決め、余白を残す

  • 三分割:画面を縦横3分割し、主役を線の交点の近くに置く
  • 主役は1つ:料理なら一皿、内観なら「一番見せたい席」
  • 余白:主役の周りに少し空間を残す(トリミングや文字入れに使える)
  • 縦と横:ホームページのトップやGoogleマップは横向き、Instagramや縦長のスマホ画面は縦向きが使いやすい

「寄り(アップ)」「引き(全体)」「中間」の3種類を、同じ被写体で撮っておくと、後で使い道に困りません。

業種別の撮り方|外観・内観・料理・施術スペース・人

外観:初めての人が「迷わない」ための1枚

外観写真の目的は、きれいに見せることより「ここだと分かる」ことです。看板の文字が読める距離で、入口とその周辺(隣の店、目印)まで入れて撮ります。ビルの2階以上なら、ビルの入口と案内板もセットで撮ってください。昼と夜の2枚を、Googleマップとホームページのアクセスページに載せます。道順の見せ方は「店舗ホームページのアクセスページの作り方」で解説しています。

内観:入口から見た「最初の景色」と、席の写真

入口を入ってすぐの位置から、部屋の奥に向けて1枚。次に、代表的な席やスペース(カウンター、個室、キッズスペース)を1枚ずつ。広角レンズは端が歪んで広く見えすぎるので、実際の広さと大きく違わない範囲で使います。清潔感は、照明を全部つけて明るく撮るだけで伝わります。

飲食店の料理:温かいうちに、窓際で、寄って

料理写真は「できたて」が一番の武器です。湯気、ツヤ、切り口を撮るために、提供直前に窓際で撮る段取りを厨房と決めておきます。器の全体を入れるより、少し寄って主役の食材にピントを合わせるほうが、おいしそうに見えます。

背景には木のテーブルや無地のクロスを使い、調味料や伝票は外します。同じ料理で「45度の寄り」「真上の全体」「人が食べている手元」の3枚を撮ると、メニューページ・Googleマップ・SNSに使い分けられます。

美容室・ネイル・エステ:清潔感と「仕上がり」

施術スペースは、照明をすべてつけ、タオルや道具を整えてから、入口側から撮ります。仕上がり写真は、お客様の顔が写る場合は必ず同意を取り、写したくない人は後ろ姿や手元だけにします。ビフォー・アフターの形で載せる場合は、結果を約束するような説明文(「必ず〇〇になる」など)は避け、事実の説明にとどめます。

整体・整骨院:「痛そうに見えない」構図

施術風景は、施術者が笑顔で、受けている人の表情が見えない角度から撮ると安心感が伝わります。施術ベッド、待合、受付、清潔なタオル類は、初めての人の不安を減らす写真です。「治る」「改善する」といった効果の断定は、写真の説明文でも避けてください。

不動産・教室:「人」と「場所」を見せる

不動産会社や学習塾は、「誰が対応してくれるか」が選ばれる決め手になります。スタッフの顔写真は、自然光の窓際で、胸から上を、少し斜めから撮ると柔らかい印象になります。教室は授業中の後ろ姿や机の配置、面談スペースの写真を用意します。生徒や保護者が写る場合は、必ず本人(未成年なら保護者)の同意を取ります。

避けたい写真とNG例|載せるとマイナスになる

NGな写真 なぜマイナスか 直し方
暗い・黄色っぽい 古い・不衛生に見える 自然光の時間帯に撮り直す。照明を全部つける
ブレ・ピンぼけ 雑な印象 両手で持つ。壁やテーブルにひじをつけて固定する
傾いている 落ち着かない グリッドで水平を合わせる。後から回転補正する
散らかった背景 お店の管理が不安に見える 写る範囲だけ片づける
加工しすぎ(彩度が極端に高い、肌を変えすぎ) 実物とのギャップで失望される 明るさとトリミングだけにとどめる
何年も前の写真 内装や料金が変わっている 年1回は撮り直す
フリー素材ばかり 「自店の写真がない」と分かる 1枚でも自店の実写を優先する
他のお客様が写り込んでいる 肖像権・プライバシーの問題 営業前後に撮る。写り込んだら使わない

写真を撮る目的は「実物より良く見せる」ことではなく、「実物と同じ良さを、来店前に伝える」ことです。来店したときのギャップが小さいほど、口コミも安定します。

必要枚数と使い分け|ホームページ・Googleマップ・SNS

用途別の枚数の目安

用途 枚数の目安 向き 内容
ホームページ(最初の公開時) 20〜30枚 横が中心 外観2、内観5、メニュー・商品10、スタッフ・人3、その他
Googleビジネスプロフィール 20枚以上、月に数枚追加 横・縦どちらも 外観、内観、商品、スタッフ、駐車場
Instagram 継続的に 縦・正方形 商品、仕込み、スタッフ、お客様の声
お知らせ・ブログ 記事ごとに1〜3枚 どちらも 記事の主役1枚+補足

Googleビジネスプロフィールに載せる順番や、写真が承認されない理由は「Googleビジネスプロフィールの写真」で詳しく解説しています。メニューページに載せる写真は、料理やメニューごとに「寄り」の1枚を揃えておくと、一覧にしたときに見やすくなります。

最初に用意したい20枚(優先順)

  • 1〜2枚目:外観(看板が読める昼と、照明が灯った夜または夕方)
  • 3枚目:入口(ビルの場合はビルの入口と案内板)
  • 4枚目:店内の全景(入口から)
  • 5〜8枚目:代表的な席・スペース(カウンター、個室、施術室、教室など)
  • 9〜16枚目:主力メニュー・商品(各1枚、寄り)
  • 17〜18枚目:スタッフ(顔または手元)
  • 19枚目:駐車場・駐輪場(あれば)
  • 20枚目:道順の目印(駅の出口、交差点)

この20枚があれば、ホームページの主要ページとGoogleビジネスプロフィールの両方を埋められます。月1回の更新で、季節メニューや新しい写真を足していきます。更新の続け方は「店舗ホームページの更新頻度とネタ帳」にまとめています。

サイズと軽さ(表示速度)

スマホで撮った写真はそのままだと大きく、ホームページが重くなる原因になります。掲載時は、長辺を1,500〜2,000ピクセル程度に縮小し、1枚あたり数百KB以内を目安にすると、見た目を保ったまま軽くできます。縮小はスマホの標準アプリやパソコンの標準機能で行えます。

著作権・肖像権の注意

  • お客様・スタッフ・生徒が写る写真は、本人(未成年は保護者)の同意を取り、掲載範囲(ホームページ・SNS・Google)を伝える
  • 他社のロゴ、キャラクター、雑誌や書籍の誌面、テレビ画面が大きく写った写真は使わない
  • 撮影を外部に頼んだ場合、写真の権利(どこで使えるか)を契約で確認する
  • フリー素材は、利用規約(商用利用・クレジット表記・加工の可否)を確認してから使う

細かい判断は「店舗ホームページの写真と著作権」で整理しています。法的助言ではありませんので、迷う場合は専門家に確認してください。地域の雰囲気(観光地か住宅地か)で写真の見せ方も変わるので、「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

スマホの機種で写真の仕上がりは変わりますか?

明るい場所ではほとんど差が出ません。差が出るのは暗い場所とズームです。暗い店内は照明を足すか時間帯を変え、ズームは使わずに自分が寄れば、機種に関係なくきれいに撮れます。

写真の加工アプリは使ってもいいですか?

明るさ・トリミング・水平の補正までなら問題ありません。彩度を極端に上げる、料理の色を変える、体型や肌を変えるといった加工は、来店時のギャップにつながるので避けてください。

お客様やスタッフが写った写真の同意は、どう取ればいいですか?

口頭でも構いませんが、「ホームページ・Google・SNSに載せてよいか」を具体的に伝え、可能なら書面やLINEのやり取りで残します。スタッフは退職後の掲載の扱いも決めておくと安心です。

プロのカメラマンに頼むべきタイミングは?

トップページの顔になる1〜3枚と、主力メニューの写真は、プロに頼む価値があります。日常の更新や季節の写真はスマホで十分です。ホームページ制作サービスによっては、撮影を別途見積りで対応している場合もあります。

ホームページとGoogleマップに同じ写真を使ってもいいですか?

問題ありません。むしろ同じ写真があるほうが「同じお店」だと認識されやすくなります。ただし、Googleマップには縦向きや加工の少ない写真も混ぜると、自然に見えます。

まとめ

  • 店舗写真は「光・角度・構図」の3つを整えれば、スマホで十分きれいに撮れる
  • 撮る前の準備(レンズを拭く、グリッド表示、写る範囲の片づけ、時間帯)で仕上がりの大半が決まる
  • 外観は「迷わない」ための昼と夜の2枚。内観は入口からの全景。料理は温かいうちに窓際で45度
  • 暗い・傾き・散らかり・加工しすぎ・古い写真はマイナス。実物とのギャップを作らない
  • 最初に20枚(外観・入口・全景・席・メニュー・スタッフ・駐車場・目印)を用意すればホームページとGoogleを埋められる
  • 人物の同意、他社ロゴ、フリー素材の規約は掲載前に確認する
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。