メニュー・料金ページの役割:お客様は何を確かめに来るのか

来店前の3つの不安に答えるページ

メニューページに来る人は、まだ予約していません。「自分向けのメニューがあるか」「予算に収まるか」「何分見ておけばいいか」が分からないと、別のお店に移るか、問い合わせるかのどちらかになります。

問い合わせをしてくれる人はまだ良いほうで、多くの人は黙って離脱します。つまりメニューページの出来は、電話の回数だけでなく、来店数そのものに関わります。

「電話で聞かれること」はページの不足を示している

よく電話やDMで聞かれる質問を書き出してみてください。「〇〇はいくら?」「初回は何分かかる?」「子どもも一緒に行ける?」「カードは使える?」。これらはすべて、メニューページに書いてあれば聞かれない内容です。

よく聞かれる質問 ページに足す情報
このメニューはいくら? 税込料金、初回と2回目以降の違い
何分かかる? 所要時間の目安(幅があれば「60〜90分」)
何が含まれる? 内容の内訳(例:カット+シャンプー+ブロー込み)
追加料金はある? オプション・指名料・延長料の一覧
自分でも受けられる? 対象・対象外の条件(年齢、妊娠中、初めての方など)

1か月分の質問をメモしておくと、ページに足すべき情報が自然に見えてきます。

メニューの分類と並べ方:迷わせない構造の作り方

分類の軸は「お店の都合」ではなく「お客様の目的」

メニューは、お店の中の区分(仕入れ先や担当者)ではなく、お客様が探すときの目的で分けます。目的で分けると、お客様は自分のカテゴリだけを見れば済みます。

業種 迷わせやすい分類 目的で分けた分類の例
飲食店 料理名の五十音順 ランチ/ディナー/コース・宴会/テイクアウト/ドリンク
美容室 施術名の羅列 初めての方向け/カット/カラー/パーマ/ヘアケア/メンズ
整体・整骨院 手技の専門名 初回の方へ/肩・腰などお悩み別/メンテナンス/保険適用の有無
ネイル・エステ 材料名・機器名 初回限定/定番コース/お悩み別/オプション
学習塾・教室 講師別 学年別/目的別(受験・補習・体験)/時間帯・回数

1カテゴリ5〜7項目まで、多いときは「入口」を作る

1つのカテゴリに項目が10以上並ぶと、スマホでは選ぶ前に疲れてしまいます。多い場合は「初めての方はこちら」「人気の3メニュー」のような入口をページの上に置き、詳細はその下に折りたたむ構成にします。

全メニューを載せる必要があるお店(居酒屋のフードメニューなど)は、看板メニューだけ写真付きで上に出し、残りは表にまとめると読みやすくなります。

1メニューに書く項目(テンプレート)

各メニューは、次の並びで書くと情報の抜けがなくなります。

  • メニュー名(お客様が分かる言葉。専門名は補足に)
  • ひと言説明(1〜2文。誰に向くか、何が含まれるか)
  • 料金(税込)
  • 所要時間の目安
  • 写真(仕上がり・料理・施術の様子)
  • 注意事項(対象外、持ち物、追加料金の条件)

説明文の書き方は「店舗ホームページの文章の書き方」で型を紹介しています。

料金の表記ルール:税込・「〜」・オプションの書き方

料金は税込の「総額」で書く

消費者向けの価格表示は、税込価格を示す「総額表示」が義務付けられています(詳しくは財務省の資料を確認してください)。ホームページも対象なので、「5,000円(税抜)」だけの表記は避け、税込価格を必ず載せます。

書き方は「5,500円(税込)」が最も分かりやすく、「5,000円(税込5,500円)」でも構いません。ページの先頭に「表示価格はすべて税込です」と書いておくと、各行に(税込)を繰り返さなくて済みます。※法的助言ではありません。最終的な判断は専門家や所管官庁の資料で確認してください。

「〇〇円〜」を使うなら「何で変わるか」を添える

「カラー 8,000円〜」のように下限だけ書くと、お客様は上限が読めず不安になります。「〜」を使う場合は、「ロング料金+1,100円」「長さ・毛量により変動、上限は11,000円」のように、何で変わるか・最大いくらかを添えます。

飲食店の「時価」も同じです。ホームページには「当日の価格はスタッフがご案内します」と一言添えるだけで、不安の残り方が変わります。

初回料金・オプション・指名料・キャンセル料は「別枠」に

項目 書き方の例
初回料金 「初回限定 4,400円(2回目以降 5,500円)」と両方書く
オプション 「+1,100円で〇〇を追加」と単独の表にまとめる
指名料 「指名料 550円(税込)」を全メニュー共通の注意として1か所に
延長・追加 「10分ごと+1,100円」など単位を明記
キャンセル料 予約ページと同じ文言で、発生条件と金額を明記

キャンセル料は書き方を誤るとトラブルになりやすい項目です。考え方は「無断キャンセル対策とキャンセルポリシーの作り方」を参照してください。

表記のNG・OK例

NG例 直した例
カット 4,000円(税抜) カット 4,400円(税込)
通常価格 8,800円 → 今だけ 5,500円(根拠なし) 初回限定 5,500円(2回目以降 8,800円)
全身整体 5,000円〜 全身整体 60分 5,500円/90分 8,000円(すべて税込)
コース料理 おまかせ おまかせコース 5品 6,600円(2名様から・前日までの予約)

「通常価格→今だけ」のような二重価格は、根拠がないと景品表示法に触れるおそれがあります。「クーポン・割引表示の注意点」で確認してください。

写真・おすすめ・注意事項で「選びやすく」する

写真は「その料金で何が得られるか」が分かるもの

料理なら量が分かる引きの写真、美容室なら仕上がりの写真、整体なら施術中の様子や部屋の写真です。1メニューに1枚で十分で、フリー素材ではなく自店の写真を使います。スマホで撮る場合は、明るい時間帯に、水平だけ意識して撮れば十分です。

「おすすめ」は「誰に」をセットで書く

「おすすめ」「人気」とだけ書いても、お客様は自分向けか判断できません。「初めての方はまずこれ」「乾燥が気になる方に」「2〜3名の少人数向け」のように、対象をセットにすると選ばれやすくなります。

「一番人気」「満足度〇%」のように順位や数字を出す場合は、根拠となる実績が必要です。実際の注文数などの裏付けがない表現は避けてください。

注意事項は「あとで言う」より「先に書く」

注意事項を予約後に伝えると、キャンセルや不満につながります。次の項目は、該当するものをメニューの近くに書いておきます。

  • 対象外の条件(年齢、妊娠中・授乳中、皮膚疾患のある方、通院中の方など)
  • 所要時間の幅(混雑時は+30分など)
  • 持ち物・服装(動きやすい服、コンタクトの有無など)
  • アレルギー・苦手食材への対応の可否
  • 支払い方法(現金のみ、カード・QR決済の可否)
  • 子ども連れ・ペットの可否、個室の有無

整体・エステ・美容では、「治る」「痩せる」など効果を断定する表現は使えません。安全な言い換えは「整体・整骨院のホームページで気をつける広告表現」を参考にしてください。

更新しやすい構造にする:価格改定・季節メニューで困らない

料金は「1か所」に、画像やPDFにしない

料金を画像やPDFにすると、スマホで読みにくいうえ、検索エンジンにも文字として認識されにくくなります。改定のたびに作り直す手間もかかります。料金は文字(表)で書き、同じメニューの料金を複数ページに書かないようにします。

トップページに料金を載せたいときは、代表的な3つだけを書いて「メニュー一覧へ」のリンクを置くと、更新箇所を増やさずに済みます。

更新日を書き、Googleビジネスプロフィール・ポータルと揃える

ページの下に「料金は〇年〇月〇日現在」と入れておくと、古い情報を見た人とのトラブルを防げます。同時に、Googleビジネスプロフィールのメニュー・サービス欄や、ポータルサイトの料金も同じ数字に揃えます。媒体ごとに料金が違うと、安いほうを根拠に交渉されたり、信頼を落としたりします。

季節メニュー・期間限定は、終了日を最初から書いておくと、消し忘れても誤解が減ります。「地域名×業種」で検索した人が、地図からでもホームページからでも同じ料金を見られる状態が理想です。地域ごとの検索の考え方は「地域別ガイド」も参考にしてください。

公開前チェックリスト(コピーして使えます)

チェック項目 確認
分類がお客様の目的になっている
1カテゴリ5〜7項目以内、または入口がある
全メニューに税込料金がある
「〜」には変動条件と上限がある
所要時間の目安がある
初回・オプション・指名料・キャンセル料が別枠で明記されている
写真が自店のもので、1メニュー1枚ある
「おすすめ」に「誰向けか」が添えてある
注意事項(対象外・持ち物・支払い方法)が近くにある
料金が文字で書かれ、画像・PDFだけになっていない
更新日があり、Googleビジネスプロフィール・ポータルと一致している
スマホで表が横にはみ出していない

よくある質問

料金はホームページに全部載せるべきですか?

原則すべて載せることをおすすめします。料金が分からないと、多くの人は問い合わせずに離脱します。どうしても書けないメニューは「〇〇円〜、内容により変動」と幅と条件を示してください。

「税抜価格+税」の表記でもよいですか?

消費者向けの価格表示は税込の総額表示が原則です。「5,000円(税込5,500円)」のように税込価格が明記されていれば問題ありません。税抜価格だけの表記は避けてください。※法的助言ではありません。

メニューが多すぎてスマホで見づらいです。

「初めての方向け」「人気の3メニュー」など入口を上に置き、全メニューはカテゴリごとに折りたたむ構成にします。表は列を3つ以内(名前・料金・時間)にすると横にはみ出しにくくなります。

ポータルサイトとホームページで料金を変えてもよいですか?

同じにすることをおすすめします。クーポン価格を掲載する場合も、ホームページに「〇〇掲載のクーポン」と条件を書いておくと、来店時の行き違いを防げます。

まとめ

  • メニュー・料金ページは「合うか・いくらか・何分か」に答える場所。答えがあれば問い合わせも離脱も減る
  • 分類はお店の都合ではなく、お客様の目的で。1カテゴリ5〜7項目、多いときは入口を作る
  • 料金は税込の総額で。「〜」を使うなら変動条件と上限を添える
  • 初回料金・オプション・指名料・キャンセル料は別枠に。二重価格の根拠に注意
  • 写真は自店のもの、「おすすめ」は「誰向けか」とセット、注意事項は先に書く
  • 料金は文字で1か所に。更新日を入れ、Googleビジネスプロフィール・ポータルと揃える
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。