店舗ホームページ制作の流れ(6段階)と期間の目安
まず全体像です。制作会社によって呼び方や順番は多少変わりますが、大きな流れは共通しています。期間は、お店側の確認や素材提供が滞りなく進んだ場合の目安です。
| 段階 | 制作側がすること | お店がすること | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1. ヒアリング | 目的・ターゲット・現状を聞き取り、提案する | 目的と希望を伝える、素材の有無を共有する | 1〜2週間 |
| 2. 構成 | ページ構成(サイトマップ)と各ページの骨組みを作る | 構成案を確認し、足りないページを指摘する | 1週間前後 |
| 3. デザイン | トップページなどのデザイン案を作る | デザイン案を確認し、修正点を伝える | 1〜2週間 |
| 4. 原稿・写真 | 原稿の整理、写真の選定・加工、各ページの制作 | 原稿の元情報と写真を渡す、内容を確認する | 2〜3週間 |
| 5. 公開 | 最終チェック、ドメイン・サーバー設定、公開 | 全ページの最終確認、公開日の決定 | 数日〜1週間 |
| 6. 運用 | 修正対応、更新サポート、効果の確認 | お知らせの更新、情報変更の連絡 | 継続 |
1. ヒアリング:目的と「してほしい行動」を決める
制作会社が、お店の業種・強み・客層・現状の集客方法・競合・予算・公開希望日などを聞き取ります。ここで最も大切なのは「ホームページを見た人に、何をしてほしいか」を1つに絞ることです。電話予約なのか、ネット予約なのか、来店なのか、LINE登録なのかで、ページの設計が変わります。
2. 構成:どんなページを、どの順番で見せるか
ヒアリングをもとに、必要なページの一覧(サイトマップ)と、各ページに載せる要素の骨組み(ワイヤーフレーム)を作ります。店舗サイトなら、トップ・メニューや料金・お店紹介・スタッフ・アクセス・予約や問い合わせ・お知らせが基本です。この段階で「あとから追加したいページ」を伝えておくと、作り直しを防げます。
3. デザイン:見た目と雰囲気を決める
構成に沿って、トップページを中心にデザイン案が作られます。色・写真の使い方・文字の雰囲気などが、お店の世界観に合っているかを確認する段階です。好みだけでなく、「初めてのお客様が安心するか」「スマホで見やすいか」の視点で見てください。
4. 原稿・写真:中身を埋める
各ページの文章(原稿)と写真を揃え、実際のページに組み込んでいきます。多くの制作では、この段階が最も長くなります。原稿を制作会社が作成する場合は別料金になることが多いので、契約前に確認しておきましょう。
5. 公開:最終確認とドメイン設定
全ページの誤字・料金・営業時間・電話番号・地図を確認し、ドメイン(URL)とサーバーの設定をして公開します。公開直後に、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに表示されるお店の情報)へホームページのURLを登録します。公開前後にやることは「店舗ホームページ公開前・公開後のチェックリスト」にまとめています。
6. 運用:公開してからが本番
営業時間の変更、季節メニュー、お知らせの更新、写真の追加など、公開後の運用で「動いているお店」であることが伝わります。修正が別料金なのか、月額に含まれるのかで、運用のしやすさが大きく変わる部分です。
依頼前に準備しておくもの一覧
制作をスムーズに進める最大のコツは、依頼前(少なくともヒアリングまで)に素材を集めておくことです。ここでは「必ず必要なもの」「あると仕上がりが良くなるもの」「決めておくこと」の3つに分けて一覧にします。
必ず必要なもの(素材)
| 素材 | 内容 | 準備のポイント |
|---|---|---|
| 店舗の基本情報 | 正式な店名、住所、電話番号、メールアドレス | 看板・名刺・Googleマップと表記を揃える |
| 営業情報 | 営業時間、定休日、ラストオーダー、駐車場、支払い方法 | 曜日ごとに違う場合はすべて書き出す |
| メニュー・料金 | 商品名、価格(税込表示か)、所要時間、内容の説明 | 現在のメニュー表をそのまま渡してよい |
| 写真 | 外観、内観、商品・施術、スタッフ | スマホ撮影で可。明るい時間帯に多めに |
| ロゴ | 看板や名刺に使っているロゴのデータ | 作成した業者に元データ(ai・svg・png)を確認 |
| 既存の情報 | 現在のホームページ、ドメイン、SNSアカウント | ドメインやサーバーの契約者・ログイン情報を確認 |
写真は、依頼前に撮りためておくのが理想です。撮り方は「スマホで撮る店舗写真の撮り方」で解説しています。ロゴの元データが見つからない場合は、看板の写真から作り直すこともできるので、制作会社に相談してください。
あると仕上がりが良くなるもの
- お店の強み・こだわり:なぜこのお店を始めたか、他店と違う点、力を入れているメニュー
- お客様の声:アンケートや口コミ、よく言われる言葉(掲載の許可は必要)
- スタッフ紹介:名前(ニックネーム可)、経歴、得意なこと、顔写真
- よくある質問:電話でよく聞かれること(駐車場、子連れ、予約なしでの来店、支払い方法など)
- 参考にしたいサイト:同業種で「こういう雰囲気がよい」と思うサイトを2〜3つ
とくに「電話でよく聞かれること」は、そのままホームページの内容になります。1週間ほど、かかってきた質問をメモしておくだけで、質の高い原稿の材料になります。
決めておくこと(方針)
- 目的:新規客を増やしたいのか、予約の電話対応を減らしたいのか、採用なのか
- ターゲット:どんなお客様に来てほしいか(年代、家族構成、来店のきっかけ)
- 行動:見た人に「してほしいこと」を1つに絞る(電話・ネット予約・LINE・来店)
- 予約の受け方:電話のみか、予約システムを使うか、LINEか
- 担当者と決裁者:お店側で確認・判断する人を1人に決める
各段階でお店がやること・スムーズに進めるコツ
素材が揃ったら、あとは各段階での「確認の仕方」が進行速度を決めます。よくつまずくポイントと、その対処法を段階ごとに挙げます。
ヒアリングでは「悩み」と「数字」を正直に伝える
「おしゃれにしてほしい」だけでは、制作側は判断できません。「ポータルサイトからの予約が減っている」「電話の問い合わせ対応で手が回らない」「新規の若い客層が少ない」など、現状の悩みを具体的に伝えてください。月の来店数や予約の割合など、把握している数字があれば共有すると、提案の精度が上がります。
構成・デザインの確認は「3日以内」「1人で」返す
確認の返事が遅れると、その分だけ公開が遅れます。確認期限を決め、できれば3日以内に返す習慣をつけてください。また、スタッフ全員の意見を集めると収拾がつかなくなりがちです。意見は聞いてもよいですが、最終判断は決裁者1人が行い、まとめて伝えます。
フィードバックは、「なんとなく違う」ではなく、次のように具体的に伝えると修正が1回で済みます。
- 「トップの写真は、店内より料理のアップにしてほしい」
- 「文字が少し小さく感じる。年配のお客様が多いので大きめに」
- 「予約ボタンは、緑ではなく看板と同じ赤系に」
原稿は「完璧な文章」でなくてよい
原稿を書くのが苦手で止まってしまうお店が多いのですが、箇条書きのメモやメニュー表、口頭の説明で十分です。制作側が整えてくれる範囲は会社によって違うので、「箇条書きで渡せば文章にしてもらえるか」を確認してください。自分で書く場合の型は「店舗ホームページの文章の書き方」が参考になります。
写真は早めに、足りなければ追加撮影を
写真は、原稿より先に用意しておくのがおすすめです。デザイン案は写真があるほど具体的になり、確認もしやすくなります。プロの撮影を依頼する場合は別料金になることが多いので、予算と相談しつつ、まずはスマホで外観・内観・商品を撮りためておきましょう。
制作が遅れる原因と対策
公開が遅れる典型的な原因は、お店側で防げるものがほとんどです。あらかじめ知っておけば避けられます。
| 遅れる原因 | 対策 |
|---|---|
| 写真・メニュー・料金が揃わない | 依頼前に集める。揃った分から先に渡す |
| 確認の返事が数週間空く | 期限を決める。繁忙期を避けて依頼する |
| 途中で目的やページ構成が変わる | ヒアリング時に「してほしい行動」を1つに絞る |
| ドメイン・サーバーの契約者や情報が分からない | 前の業者との契約書・メールを探す。名義を確認する |
| 店内の意見がまとまらない | 決裁者を1人にする。意見はまとめて伝える |
| ロゴの元データがない | 早めに業者へ確認。なければ作り直しを相談する |
とくにドメイン(ホームページの住所にあたる「〇〇.com」の部分)は、前の制作会社の名義になっていて移せない、というトラブルが起こりがちです。現在のホームページがある場合は、依頼前に「ドメインの契約者は誰か」を確認しておいてください。
公開後の運用で決めておくこと
ホームページは公開して終わりではありません。制作の段階で、次の3つを決めておくと、公開後に「誰も更新しない」状態を防げます。
- 更新の担当と頻度:お知らせを誰が、月に何回更新するか。月1回でも十分です
- 修正の依頼方法:営業時間やメニューが変わったとき、誰にどう連絡するか、費用はかかるか
- 効果の確認:月1回、Googleビジネスプロフィールの表示回数やホームページ経由の問い合わせ数を見る
また、公開後は「地域名 × 業種」の検索で見つけてもらうことが集客の土台になります。自店の地域でどんな言葉が検索されているかは、「地域別ガイド」で地域ごとの考え方をまとめています。制作会社を選ぶ段階で運用の条件を確認するポイントは、「店舗ホームページの制作会社の選び方」を参考にしてください。
よくある質問
ホームページ制作の期間はどれくらいかかりますか?
店舗サイトの規模なら、依頼から公開まで1〜2か月程度が一般的な目安です。素材の準備と確認の返事が早いほど短くなり、遅いほど長引きます。
写真や文章は、制作会社が用意してくれますか?
会社によって異なります。写真撮影や原稿作成は別料金になることが多いので、見積りの段階で「何が含まれ、何が別料金か」を確認してください。
依頼前に最低限これだけは準備しておくべきものは?
店舗の基本情報、営業時間、メニューと料金、写真、ロゴの5つです。加えて「見た人にしてほしい行動」を1つ決めておくと、ヒアリングが一度で済みます。
今のホームページがある場合、何を確認しておけばいいですか?
ドメインとサーバーの契約者・ログイン情報、そして今のサイトで残したい内容(写真や文章)です。ドメインが業者名義だと、移行に時間がかかることがあります。
まとめ
- 制作の流れは「ヒアリング→構成→デザイン→原稿・写真→公開→運用」の6段階。期間は1〜2か月程度が目安
- 遅れる最大の原因は「素材待ち」。基本情報・営業情報・メニュー・写真・ロゴを依頼前に集める
- 「見た人にしてほしい行動」を1つに絞り、決裁者を1人にすると確認が速くなる
- 原稿は箇条書きのメモで十分。電話でよく聞かれる質問をメモしておくと材料になる
- ドメインの契約者を事前に確認し、お店の名義にしておく
- 公開後は更新の担当・修正の依頼方法・月1回の効果確認を決めておく