ホームページ制作費用は何で決まる?内訳を4つに分解する

制作会社の見積りは、項目名がバラバラで比べにくいものです。しかし中身を分解すると、費用を動かしているのは次の4つに集約されます。

1. デザインの自由度(テンプレート/セミオーダー/オリジナル)

既存のテンプレートに色やロゴを当てはめるだけなら、デザインの工数はほとんどかかりません。テンプレートをベースに配置や色を調整する「セミオーダー」、白紙から設計する「オリジナル」と自由度が上がるほど、デザイナーの作業時間が増えて費用も上がります。

店舗サイトの場合、テンプレートでも十分にきれいなものが多く、来店に必要な情報が正しく載っていることのほうが集客には効きます。「見た目のこだわり」にお金をかけるのは、業種として世界観が売りになるお店(美容室・カフェ・エステなど)に絞るのが現実的です。

2. ページ数

トップ・メニュー・アクセス・お店紹介・お問い合わせの5ページ前後が店舗サイトの基本形です。スタッフ紹介、お客様の声、採用、ブログなどを足すほどページ単価が積み上がります。

3. 写真と原稿を誰が用意するか

写真撮影と文章の作成は、制作会社に頼むと別料金になることがほとんどです。お店側でスマホ写真とメニュー表、お店紹介の文章を用意できれば、この部分の費用はゼロに近づきます。写真はスマホで十分で、明るさと水平だけ意識すれば見栄えは整います。

4. システムの有無(予約・カート・会員・多言語)

ネット予約、オンライン注文、会員機能、多言語対応などは、作り込みと動作確認に時間がかかるため、費用が一段階上がる要因です。外部の予約サービスを埋め込む形にすれば、開発せずに済むケースも多くあります。

項目 安くなる条件 高くなる条件
デザイン テンプレートを使う 白紙からのオリジナル
ページ数 5ページ前後に絞る 10ページ以上、店舗ごとのページ
写真・原稿 お店が用意する プロ撮影・取材・ライティングを依頼
システム 外部サービスを埋め込む 独自開発の予約・注文機能

買い切り型(初期費用型)と月額型はどう違う?

支払い方も費用の見え方を大きく変えます。大きく分けると「制作費をまとめて払う買い切り型」と「制作費を抑えて月額で払い続ける月額型」の2つです。

買い切り型:初期費用は高いが、サイトは自分のもの

制作費を最初にまとめて支払い、公開後はサーバー・ドメイン代と、必要に応じた保守費を払う形です。サイトのデータは基本的にお店のものになり、長く使うほど1か月あたりの負担は下がります。一方で、修正のたびに費用がかかる契約だと、更新が止まって情報が古くなりがちです。

月額型:初期費用は低いが、総額と解約時の扱いを確認する

制作費を無料や低額にして、制作・サーバー・保守・修正をまとめた月額料金を払う形です。例えば HARE PAGE 店舗は制作費0円・月額50,000円(税別)、最低契約期間6か月で、修正や変更は月額に含まれています。開業直後で手元資金を残したいお店には合いますが、長く使うほど総額は買い切りを上回りやすく、解約後にサイトが残らない契約も多いので、必ず確認してください。

両者の総額の比べ方と、契約前のチェック項目は「月額制(サブスク)ホームページ制作のメリット・デメリット」で詳しく解説しています。

店舗の規模・目的別に「必要なもの」から費用を考える

「相場表」を眺めるより、自分のお店に必要なものを決めてから見積りを取るほうが、無駄な費用を避けられます。目的別に、必要なページと費用が上がる要因を整理します。

個人店で「名刺代わり+地域検索で見つかる」が目的

必要なのは、トップ・メニュー(料金)・アクセス・お店紹介・お問い合わせの5ページ前後です。テンプレートを使い、写真と文章をお店で用意すれば、費用は最も抑えられます。地域名×業種で検索されるための基本設計(ページタイトルや住所の書き方)だけは外さないでください。

予約・採用まで受け止めたいお店

ネット予約の導線、スタッフ紹介、求人ページが加わります。予約は外部サービスの埋め込みで済ませるか、独自に作るかで費用が大きく変わります。まずは外部の予約サービスで始め、必要になってから作り込むほうが、無駄が出にくい順番です。

複数店舗・複数業態

店舗ごとのページ、共通ページ、店舗別のGoogleビジネスプロフィール連携が必要になり、ページ数と設計の手間が増えます。店舗が増えたときに追加費用がいくらかかるかも、最初に聞いておきましょう。

見積りの読み方:比べる前に確認する7項目

同じ金額の見積りでも、含まれる内容が違えば安い高いは判断できません。見積りをもらったら、次の7項目を確認してください。

  1. ページ数とページ構成が明記されているか(「一式」だけの見積りは要注意)
  2. スマホ対応が含まれているか(別料金の会社もあります)
  3. 写真撮影・原稿作成が含まれているか、含まれない場合はお店が用意する前提か
  4. サーバー・ドメイン・SSL(通信を暗号化する仕組み)の費用は誰が払うか
  5. 公開後の修正は何回まで無料か、1回あたりの費用はいくらか
  6. サイトのデータとドメインの所有者は誰になるか
  7. 最低契約期間・中途解約の条件(月額型の場合)

聞き方は、「この金額に含まれないものを教えてください」の一言で十分です。含まれないものが明確に答えられない会社は、後から追加費用が出やすい傾向があります。見積り前の質問は「店舗ホームページの制作会社の選び方」にまとめています。

安さで失敗するパターン5つ

「安かったから」と選んで、結果的に作り直しになるケースには共通点があります。

失敗パターン 何が起きるか 見積り時の確認ポイント
スマホ対応が別料金だった 来店客の多くがスマホで見るのに、文字が小さく読めない 「スマホ対応込みですか」
更新のたびに費用がかかる 料金やメニューが古いまま放置される 「修正は月何回まで無料ですか」
サーバー・ドメインが業者名義 乗り換えたくてもサイトもURLも持ち出せない 「ドメインの名義は誰ですか」
地域検索の設計がない 見た目は良いのに「駅名 業種」で出てこない 「地域名で検索される設計はありますか」
写真がフリー素材だけ 実際のお店と印象が違い、信頼されにくい 「写真はお店で用意すればいいですか」

とくに多いのが、更新費用が原因で情報が古くなるケースです。ホームページは公開がゴールではなく、営業時間や料金が常に正しいことが集客の土台になります。維持費の考え方は「ホームページの維持費はいくら?」で解説しています。

制作費を抑えるコツ

費用を下げる方法は、「何かを削る」より「自分で用意できるものを用意する」ことです。

  • 写真:外観・内観・商品・スタッフをスマホで撮る。明るさと水平だけ意識する
  • 文章:メニュー表と「お店の特徴を3つ」だけメモにして渡す
  • ページ数:まず5ページで公開し、必要になったら追加する
  • 目的:「電話予約を増やす」など1つに絞り、それ以外の機能は後回しにする
  • 補助金:小規模事業者持続化補助金など、Webサイト関連の費用が対象になり得る制度があります。対象経費や要件は年度ごとに変わり、ホームページ制作が対象外となる場合もあるため、商工会議所や公式資料で確認してください

自作という選択肢も含めた比較は「店舗のホームページの作り方」にまとめています。地域ごとのキーワード設計の考え方は「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

店舗のホームページは5ページでいくらくらいですか?

一つの数字では答えられません。テンプレートを使い、写真と文章をお店が用意するなら費用は最も低く、オリジナルデザインや撮影・予約システムを含めると数十万円単位で上がります。見積りは「含まれないもの」を確認して比べてください。

自分で作れば無料ですか?

作成ツールの無料プランを使えば制作費はかかりませんが、独自ドメインが使えない、広告が表示されるなどの制限があります。また、店主の作業時間という見えないコストがかかります。

制作費0円の月額型は怪しいですか?

仕組みとしては、制作費を月額に分割して回収しているだけで、怪しいものではありません。ただし、最低契約期間、解約時にサイトが残るか、修正の範囲は契約前に必ず確認してください。

補助金は使えますか?

Webサイト関連の費用が対象になり得る補助金はありますが、対象経費や要件は年度ごとに変わり、制作そのものが対象外のこともあります。申請前に公式資料や商工会議所で最新情報を確認してください。

まとめ

  • 制作費は「デザインの自由度・ページ数・写真と原稿・システム」の4つで決まり、一つの相場では言い切れない
  • 買い切り型は初期費用が高いがサイトは自分のもの、月額型は初期費用が低いが総額と解約時の扱いを確認する
  • 相場表より「自分のお店に必要なページ」を先に決めてから見積りを取る
  • 見積りは「含まれないもの」を聞く。スマホ対応・修正費・所有権は必ず確認
  • 安さで失敗する原因の多くは、更新費用と所有権にある
  • 写真と文章を自分で用意し、5ページから始めれば費用は抑えられる
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。