LINEリッチメニューとは?店舗にとっての役割

LINE公式アカウントには「配信」と「リッチメニュー」の2つの顔があります。役割の違いを押さえると、リッチメニューに何を置くべきかが決まります。

配信は「押しかける」、リッチメニューは「待つ」

配信は、お店からお客様のスマホに通知を送る一方通行の仕組みで、送りすぎるとブロックされます。リッチメニューは、お客様が自分からトーク画面を開いたときに、いつでも同じ場所にある案内板です。お客様のタイミングで使えるためブロックの原因になりにくく、予約のように「思い立ったときに動く」行動と相性が良いのが特徴です。

店舗が置くべき4つの導線

導線 なぜ必要か
予約 「今、予約したい」瞬間に1タップで予約ページへ。電話に出られない時間帯も受けられる
メニュー・料金 来店前に「いくらか」を確認したい人が最も多い。問い合わせが減る
アクセス 当日、店に向かう途中で開かれる。地図アプリに直接つなぐ
口コミ 会計後や帰宅後に「お願いした口コミ」を書く入口。QRコードより手間が少ない

残りの枠は、業種に応じて「お問い合わせ」「クーポン・特典」「スタッフ紹介」「よくある質問」「Instagram」などから選びます。

リッチメニューがないとどうなるか

リッチメニューのないアカウントでは、お客様は過去の配信をさかのぼるか、テキストで質問するしかありません。店側は同じ質問に何度も答えることになり、返信が遅れると予約は他店に流れます。「LINEで予約できます」と言うなら、リッチメニューは最初に作る部品です。

配置の考え方|「一番押してほしいもの」を親指の位置に

リッチメニューは、テンプレートから分割数を選び、各エリアに飛び先を設定して作ります。分割数より大切なのは、どこに何を置くかです。

6分割の基本レイアウト

スマホは片手で持って親指で操作する人が多く、画面の下側ほど押しやすい傾向があります。上段には「見てほしいもの」、下段には「押してほしいもの」を置くのが基本です。

位置 置くもの 理由
上段 左 メニュー・料金 来店前の確認で最も見られる
上段 中 スタッフ紹介 または よくある質問 不安を消す情報
上段 右 口コミを書く 会計後に案内しやすい
下段 左 アクセス 当日に押される
下段 中 予約(一番大きく、目立つ色) 最も押してほしい行動
下段 右 お問い合わせ 予約以外の相談の受け皿

予約ボタンは、色を変える、面積を広くする(1枠を大きくできるテンプレートもあります)など、ひと目で「ここ」と分かるようにします。

業種別の配置例

業種 6枠の例
飲食店 メニュー/テイクアウト注文/コース・宴会/アクセス/予約/口コミ
美容室 メニュー・料金/スタイル写真/スタッフ紹介/アクセス/予約/口コミ
整体・整骨院 施術メニュー/初めての方へ/よくある質問/アクセス/予約/口コミ
不動産 物件検索/来店予約/売却相談/会社案内/アクセス/お問い合わせ
学習塾・教室 コース・料金/体験申込/保護者の声/アクセス/お問い合わせ/教室ブログ

業種によって「予約」を「体験申込」「来店予約」「相談」と言い換えると、押す側の迷いが減ります。

文言の決め方

  • 動詞か名詞で短く(「予約する」「メニューを見る」「道順」)。2〜6文字を目安に
  • アイコンを添える(カレンダー、地図ピン、星など)
  • 「詳細はこちら」「Click」のような、何が起きるか分からない言葉は避ける

やりがちな失敗

  • 全部のボタンがホームページのトップに飛ぶ(お客様はトップから探し直すことになる)
  • ボタンが多すぎて、どれも小さく読めない
  • 画像の文字が小さく、スマホで潰れる
  • 季節キャンペーンのボタンを置いたまま、終了後も放置する

ホームページとの連携|飛び先は「専用ページ」にする

リッチメニューの価値は、飛び先のページで決まります。ボタンを押した先が「探しにくいページ」だと、せっかくの1タップが無駄になります。

4つの導線の飛び先

ボタン 飛び先
予約 ネット予約のページ(予約システムのURL)。なければ「予約の書き方」を返すテキストでも可
メニュー ホームページのメニュー・料金ページ(トップではなく直接)
アクセス ホームページのアクセスページ(地図・道順・駐車場)またはGoogleマップの店舗ページ
口コミ Googleビジネスプロフィールの口コミ投稿用リンク

口コミ投稿用のリンクは、Googleビジネスプロフィールの管理画面から取得できます(画面の表記は変わることがあります)。お客様が迷わないお願いの仕方は「お客様に口コミをお願いする方法」で解説しています。

アクセスページは「LINEから開かれる」前提で作る

LINEのアクセスボタンは、来店当日に駅や車の中で押されます。ホームページのアクセスページには、地図アプリで開けるボタン、駅からの道順の写真、駐車場の場所と台数、建物の入口の写真を載せておきます。作り方は「店舗ホームページのアクセスページの作り方」を参照してください。

ホームページがない場合の代替と限界

ホームページがない場合は、Googleビジネスプロフィールのページ、Instagramのプロフィール、予約システムのページを飛び先にできます。ただし、メニュー・料金・よくある質問などの「まとまった情報」を置く場所がないため、問い合わせ対応の負担は残ります。LINEを予約導線の中心にするなら、飛び先となるホームページを持つほうが運用が安定します。

UTMパラメータで「どのボタンが押されたか」を測る

リンク先のURLに測定用のパラメータ(UTM)を付けておくと、ホームページ側のアクセス解析で「LINEのどのボタンから来たか」が分かります。管理画面の分析機能でも確認できる場合がありますが、URLで測る方法は仕様変更の影響を受けにくいです。見方は「店舗サイトのアクセス解析」にまとめています。

配信との組み合わせ|「配信で気づかせ、リッチメニューで受ける」

リッチメニューと配信は、別々に考えると効果が半減します。配信は「きっかけ」を作り、リッチメニューが「行動の受け皿」になる、という役割分担が基本です。

配信で書くこと・書かないこと

配信には、「今週の空き状況」「新メニューが出ました」「今月の限定」のような、きっかけになる短い情報だけを書きます。詳細や予約の手順は書かず、「ご予約は下のメニューの『予約』からどうぞ」と、リッチメニューを指差す一文で締めます。配信を長くしないことが、ブロックを減らすコツです。

表示期間を使って季節メニューに切り替える

リッチメニューには表示期間を設定でき、複数のメニューを用意して期間ごとに切り替えられます。「12月は忘年会コースのボタン」「4月は新規向けキャンペーンのボタン」のように、季節ごとに1枠だけ入れ替えると、放置になりにくくなります。

あいさつメッセージで「使い方」を伝える

友だち追加の直後に自動で届くあいさつメッセージに、リッチメニューの使い方を書いておきます。

「友だち追加ありがとうございます。画面下のメニューから、ご予約・メニュー・アクセスをいつでもご確認いただけます。ご質問はこのトークにそのままお送りください(返信は営業時間内に順次行います)」

友だち集めから配信まで含めた運用の全体像は「LINE公式アカウントの店舗活用」で解説しています。

リッチメニュー作成の手順(概要)と公開前チェック

LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)から作成します。画面の表記や手順は変わることがあるので、大まかな流れとして読んでください。

作成の8ステップ

  1. 導線を決める:この記事の表を参考に、6枠(または4枠・3枠)に何を置くかを紙に書く
  2. 飛び先のURLを用意する:予約ページ、メニューページ、アクセスページ、口コミ投稿リンク。必要ならUTMを付ける
  3. テンプレートを選ぶ:大サイズ・小サイズと分割パターンから選ぶ
  4. 画像を作る:管理画面の簡易作成機能、Canvaなどのデザインツール、またはデザイナーへの依頼。文字は大きく、ボタンの境目を分かりやすく
  5. 各エリアにアクションを設定する:リンク、テキスト(定型文を返す)、クーポン、ショップカードなど
  6. メニューバーの文言を決める:「メニュー」のままでもよいが、「予約・メニューはこちら」のように開く理由を書くと開かれやすくなる
  7. 表示期間と「デフォルトで表示する」を設定して保存する
  8. 自分のスマホで友だち追加し、全ボタンの飛び先を確認する

リッチメニューの機能自体は、料金プランに関係なく使えます。プランごとの違いは主に配信数で、最新の内容はLINEの公式サイトで確認してください。

公開前・公開後のチェックリスト

項目 確認
予約ボタンが一番目立つ位置・色になっている
各ボタンがトップページではなく専用ページに飛ぶ
アクセスの飛び先で、地図アプリが開ける
口コミボタンの飛び先が投稿画面に直接つながる
画像の文字がスマホで読める大きさ
あいさつメッセージでメニューの使い方を案内している
季節のボタンに表示期間が設定されている
月1回、押された回数を確認して並びを見直している

地域名で探す新規のお客様をLINEにつなぐ考え方は「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

リッチメニューは無料で使えますか?

リッチメニューの機能は、LINE公式アカウントの料金プランに関係なく使えます。プランの違いは主に配信できる通数で、最新の料金や条件はLINEの公式サイトで確認してください。

デザインは自分で作れますか?

作れます。管理画面の簡易作成機能で、背景色とアイコン・文字を選ぶだけのメニューが作れます。より作り込むならCanvaなどのデザインツールでテンプレートのサイズに合わせて画像を作り、アップロードします。

何分割にするのがいいですか?

店舗なら、予約・メニュー・アクセス・口コミの4つに、業種に応じた2つを足した6分割が基本です。置くものが4つ以下なら4分割にして、ボタンを大きくするほうが押しやすくなります。

電話予約に誘導するボタンは置けますか?

電話を中心にする場合は、電話番号と受付時間を載せたページ(アクセスページやお問い合わせページ)にリンクし、そこから発信してもらう形が分かりやすいです。あわせてネット予約かLINEでの予約受付も用意すると、営業時間外の取りこぼしが減ります。

まとめ

  • LINEリッチメニューは、トーク画面下に固定表示される案内板。店舗では予約・メニュー・アクセス・口コミの4つが基本
  • 配置は「見てほしいものを上段、押してほしいものを下段」。予約は一番目立つ位置と色に
  • 飛び先はトップページではなく、メニュー・アクセス・予約・口コミ投稿の専用ページに
  • 配信は短いきっかけだけを書き、行動はリッチメニューで受ける。あいさつメッセージで使い方を案内
  • 作成は「導線→URL→テンプレート→画像→アクション→表示設定→スマホで確認」の順
  • 季節ボタンは表示期間を設定し、月1回は押された回数を見て並びを見直す
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。