整骨院・整体院の集客が難しい理由と、自費メニューの位置づけ

院が増え、保険の範囲だけでは続けにくい

整骨院・接骨院で健康保険が使えるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷といった急性のけがに限られるとされており、慢性的な肩や腰の不調へのケアは自費になります。自費メニューを選んでもらえるかどうかが、経営の安定に直結します。

整体院やリラクゼーションサロンはそもそも自費のみで、近隣に同じような院が並びやすい業種です。「近いから」以外の理由で選ばれる情報が必要になります。

自費を選んでもらうには「来院前の情報」が要る

自費メニューは、「何をするのか」「何回くらい通うのか」「合計いくらか」が分からないと選びにくいものです。この3つを院内で初めて説明するのではなく、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで来院前に伝えておくと、納得したうえで来院する人が増えます。

検索設計:地域名 × 症状・メニューで見つかるようにする

患者さんが検索する言葉は3パターン

パターン 探している人の状態
地域名 × 業種 「〇〇駅 整骨院」「〇〇市 整体」 近くで探している。比較中
地域名 × 症状・悩み 「〇〇市 腰痛 整体」「〇〇駅 肩こり」「産後 骨盤 〇〇市」 悩みが明確。相談先を探している
地域名 × メニュー・条件 「〇〇市 鍼灸 女性」「〇〇駅 交通事故 整骨院」「〇〇 整体 夜遅く」 施術内容や条件で絞り込んでいる

「地域名 × 業種」はGoogleマップの地図枠、「症状」「メニュー」は自院のホームページのページ単位で受け止めるのが基本です。

キーワードをページに割り当てる

検索の言葉 受け皿
〇〇駅 整骨院 Googleビジネスプロフィール+トップページ
〇〇市 腰痛 整体 「腰の不調でお悩みの方へ」のページ(施術の内容・流れ・料金)
産後 骨盤 〇〇市 産後ケアのメニューページ
交通事故 整骨院 〇〇 交通事故後のケアの流れと手続きの案内ページ
院名 トップページ・院長紹介

症状ページを作るときは、「〇〇が治る」ではなく、「〇〇でお悩みの方に、当院ではこのような施術をしています」という書き方にします。1つのページに複数の症状を詰め込むより、1ページ1テーマのほうが検索でも読み手にも分かりやすくなります。

Googleビジネスプロフィールの整え方

「〇〇駅 整骨院」の検索は、地図枠に入るかどうかで来院数が変わります。無料で次を整えます。

  • カテゴリ:「整骨院」「整体院」「鍼灸院」など、実態に合ったものをメインに、追加カテゴリで補う
  • 写真:外観・受付・施術スペース・院長とスタッフ・駐車場
  • 営業時間:昼休み・土日・祝日・予約優先の区分を正確に
  • サービス(メニュー):主な自費メニューを料金つきで登録
  • 説明文:対応している悩み、施術の特徴、予約方法
  • 投稿:週1回、休診のお知らせ・セルフケアの豆知識・空き状況
  • 予約リンク:ネット予約やLINEのURL

登録から運用までの流れは「Googleビジネスプロフィール完全ガイド」で解説しています。管理画面の表記は変わることがあるので、大まかな流れとして読んでください。

初回の不安を消すページ内容:流れ・料金・院長

初めての人が来院をためらう理由は、「何をされるのか分からない」「いくらかかるのか分からない」「どんな人がやるのか分からない」の3つです。ホームページでこの3つに先回りして答えます。

初回の流れを、写真つきで順番に

  1. 受付・問診票の記入(所要時間の目安)
  2. カウンセリング:今の状態と困っていることを聞く
  3. 検査・状態の確認
  4. 説明:今日行う施術の内容と、今後の通院の目安
  5. 施術
  6. 会計・次回の相談

各ステップに院内の写真を添えると、「この部屋で、この人が、こういう順番で対応する」が伝わります。「服装は動きやすいものを」「着替えの貸出あり」など、細かい疑問にも答えておきます。

料金は「初回にかかる合計」で書く

料金表は、メニューごとの単価だけでなく、「初回は初検料+施術料でいくら」「2回目以降はいくら」と、実際に支払う合計を書きます。回数券やコースがある場合は、有効期限と返金の条件も明記します。

「今だけ初回無料」のような表示は、条件や期限を曖昧にすると景品表示法上の問題になるおそれがあります。期限と条件をセットで書くのが基本です。

院長・スタッフ紹介と院内写真

顔写真、保有資格(柔道整復師・鍼灸師などの国家資格は正式名称で)、経歴、施術への考え方、趣味などを載せます。「どんな人か」が分かることが、整骨院・整体院では最大の安心材料です。ページ構成の全体は「整骨院・整体院のホームページに必要なページ」にまとめています。

口コミの集め方と返信:個人情報に注意する

Googleの口コミは、「〇〇駅 整骨院」で比較している人が最も見る情報の1つです。数と内容、そして返信の姿勢が見られています。

お願いのタイミングと言い回し

  • タイミング:施術後に「良かった」「また来たい」と言われた直後、または2〜3回目の来院時
  • 言い回し:「同じようなお悩みの方の参考になるので、よろしければ率直な感想を書いていただけませんか」
  • 仕組み:受付にQRコードのカード、LINEのお礼メッセージにリンク

割引や特典と引き換えに高評価を頼むことは、Googleのガイドライン違反であり、ステマ規制(景品表示法)にも触れるおそれがあります。頼むのは「率直な感想」までにします。仕組みの作り方は「Googleの口コミを増やす方法」で解説しています。

返信では症状や来院の事実に触れない

口コミの返信は、院の姿勢を見せる場です。ただし、整骨院・整体院では、返信で「〇〇の症状で通院中の〇〇様」のように、本人の症状や来院の詳細を書かないよう注意します。本人が書いていても、院側から個人の情報を広げない姿勢が安心につながります。

  • 良い口コミへの返信例:「ご来院とご感想をありがとうございます。日々のセルフケアもぜひ続けてください。またお待ちしています」
  • 厳しい口コミへの返信例:「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。ご指摘を受け止め、説明の仕方を見直します。よろしければ直接お話を伺えれば幸いです」

広告表現の注意:医療広告ガイドライン・景品表示法の一般論

整骨院・整体院の集客で最も気をつけたいのが、表現のルールです。一般論として整理します。法的助言ではありませんので、最終的な判断は専門家や所管官庁の資料で確認してください。

関わる主なルール

  • 柔道整復師法・あはき法:整骨院・鍼灸院などの広告で載せられる事項が限定されている。ホームページの扱いは行政の解釈が変わることがあるため、最新の資料を確認
  • 医療広告ガイドライン:医療機関向けのルール。整骨院・整体院は医療機関ではないが、「治療」「医学的な効果」と誤認させる表現は避けるのが安全
  • 景品表示法:実際より著しく良く見せる表示(優良誤認)、価格を有利に見せる表示(有利誤認)の禁止。体験談やビフォーアフターの扱いも注意
  • 医師法・薬機法:「診断」「治療」など医師の行為と誤認させる表現、器具や商品の効能をうたう表現に注意

避けたい表現と、安全な言い換え

避けたい表現 言い換えの例
腰痛が治る・改善する 腰の不調でお悩みの方に、〇〇の施術を行っています
骨盤矯正で痩せる 骨盤まわりのケアで、姿勢や動きやすさを大切にしています
1回で劇的に変わる 状態に合わせて、通院の目安をご説明します
〇〇の専門・地域で一番の実績 〇〇のケアに力を入れています(根拠のある表現のみ)
患者様の声「完全に良くなりました」 感想の掲載は条件つき。効果の断定にならない範囲で

「治る」「改善」を書けない代わりに、施術の内容・流れ・通院の目安・院長の考え方を具体的に書くことが、結果として信頼につながります。表現の詳しい考え方は「整体・整骨院のホームページで気をつける広告表現」にまとめています。地域名の入れ方は「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

整骨院の集客で、最初にやるべきことは何ですか?

Googleビジネスプロフィールの整備です。「〇〇駅 整骨院」の検索は地図枠が上位に出やすく、カテゴリ・写真・営業時間・メニューを整えるだけで見つかりやすくなります。費用はかかりません。

自費メニューを選んでもらうには、何を発信すればいいですか?

「何をするのか(施術の内容と流れ)」「何回くらい通うのか(目安)」「合計いくらか(初回と2回目以降)」の3つを、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで来院前に伝えることです。

症状名をホームページに書いてもいいですか?

「〇〇でお悩みの方へ」と、対応している悩みとして書くのは一般的です。ただし「治る」「改善する」といった効果の断定は避け、施術の内容と流れの説明にとどめてください。法的な判断は専門家や所管官庁の資料で確認してください。

口コミをお願いするときに気をつけることは?

割引や特典と引き換えに高評価を頼まないこと、返信で本人の症状や来院の事実に触れないことです。頼むのは「率直な感想」までにします。

まとめ

  • 整骨院・整体院の集客の柱は、「地域名×症状・メニュー」の検索設計、Googleビジネスプロフィール、初回の不安を消すページ、口コミの4つ
  • 「地域名×業種」は地図枠で、「症状」「メニュー」はホームページのページ単位で受け止める
  • 初回の流れ・初回にかかる合計料金・院長の人柄を来院前に伝えると、自費メニューが選ばれやすくなる
  • 口コミは「率直な感想」をお願いし、返信では症状や来院の事実に触れない
  • 「治る」「痩せる」「一番」などの断定表現は避け、施術の内容と流れを伝える書き方にする(法的助言ではありません)
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。