飲食店の集客は「新規・リピート・客単価」の3つに分けて考える

売上は「客数 × 客単価」で、客数は「新規 + リピート」に分かれます。どこが弱いかで打ち手が変わるため、施策の前に自店の状態を見ます。

まず自店の「弱いところ」を見つける

お店の状態 弱いのは 優先する施策
席が埋まらない日が多い。新しい顔をあまり見ない 新規 Googleマップ、ホームページ、グルメサイト、SNS
新規は来るが、2回目が少ない リピート LINE、店頭の一言、次回来店の理由づくり
忙しいのに利益が残らない 客単価 メニューの見せ方、おすすめ、コース・ドリンクの導線
平日やアイドルタイムだけ空いている 時間帯別の新規 時間帯限定メニュー、Googleマップの投稿、LINE配信

多くのお店は「新規」の施策ばかりに目が向きますが、新規客を1人増やすより、来た人にもう1回来てもらうほうが費用は少なくて済みます。まずは自店の弱い場所を1つ決めてください。

目的別・施策の一覧

目的 Webでできること 店頭・リアルでできること
新規 Googleマップ、ホームページ、グルメサイト、Instagram、Web広告 看板・のぼり、店頭メニュー、チラシ、近隣への挨拶
リピート LINE公式アカウント、Instagramのストーリーズ、Googleマップの投稿 会計時の一言、次回来店の理由、スタンプカード、名前を覚える
客単価 メニューページの写真と説明、コース・宴会ページ メニュー表の構成、おすすめの声かけ、ドリンクの提案

新規客を増やす施策:検索・地図・グルメサイト・SNS

飲食店を探す人の行動は「駅名やエリア名 × ジャンル」の検索から始まることが多く、その多くはスマホでGoogleマップやグルメサイトを見ています。新規客の入口は、この2つとSNSに集中させるのが効率的です。

Googleマップで「駅名 × ジャンル」に出る

Googleビジネスプロフィール(無料)を整えると、地図検索で見つけてもらいやすくなります。飲食店で特に効く項目は次の通りです。

  • カテゴリ:「居酒屋」「イタリア料理店」など、最も近いものをメインに
  • 写真:料理・外観・店内・メニュー表を、来店前に知りたい順で
  • 営業時間・ラストオーダー・定休日・臨時休業を最新に
  • メニュー登録:看板メニューと価格帯が分かるように
  • 属性:テイクアウト、個室、禁煙・喫煙、子連れ可、支払い方法
  • 週1回の投稿:本日のランチ、季節限定、空席情報

口コミへの返信も新規客が見ています。整え方の全体は「Googleマップで集客する方法」で解説しています。

グルメサイトは「比較される場所」として使う

食べログ・ぐるなび・ホットペッパーグルメなどのグルメサイトは、「今夜どこに行くか」を比較している人に届く場所です。無料掲載でも情報を整えておく価値はあり、有料プランは「予約や送客がどれだけ増えたか」で判断します。料金はプランによって異なるため、最新の内容は各社の公式サイトで確認してください。

グルメサイトの弱点は、隣に競合が並ぶこと、掲載料や手数料がかかること、そしてお客様の情報がお店に残りにくいことです。料金の仕組みと見直し方は「食べログ・ぐるなびの掲載料の仕組み」を参考にしてください。

Instagramは「行きたい」を作る写真とタグ

Instagramは、料理の写真と店内の雰囲気で「行きたい」という気持ちを作る場所です。フォロワー数より、「地名+ジャンル」のハッシュタグと位置情報を毎回つけること、プロフィールにホームページやGoogleマップのリンクを置くことが来店につながります。

投稿ネタは「本日のおすすめ」「仕込みの様子」「スタッフの一言」で十分です。凝った編集より、明るく水平に撮った料理写真を続けることが大切です。

自社ホームページで「予約前の疑問」に答える

グルメサイトやSNSで興味を持った人が、最後に確認するのが自社ホームページです。「コースの内容と料金」「アレルギー対応」「個室・貸切の条件」「駐車場」「予約方法」がすぐ分かれば、予約の一歩手前で離れる人が減ります。

必要なページの作り方は「飲食店のホームページに必要なページと作り方」にまとめています。

リピーターを増やす施策:LINE・店頭・次回の理由づくり

リピートの鍵は、「思い出してもらうきっかけ」と「次に来る理由」の2つです。どちらも、お金をかけずに今日から始められます。

LINE公式アカウントで「思い出すきっかけ」を配信する

会計時やテーブルのPOPで友だち登録を案内し、月に数回、次のような配信をします。

  • 季節限定メニューの告知(写真つき)
  • 「今週の金曜、まだ席あります」といった空席情報
  • 常連向けの一品サービスや、誕生月の特典
  • 貸切・宴会の受付開始

配信が多すぎるとブロックされるので、「お客様が知りたい情報」だけに絞ります。友だち登録の案内は「登録するとその場で一品」のように、登録の理由を添えると集まりやすくなります。

店頭でできる「次に来る理由」づくり

  • 会計時の一言:「来月から〇〇が始まります」「次は〇〇も試してみてください」
  • 名前や好みを覚える:「前回の辛口、お気に召しましたか?」
  • スタンプカードや「次回使える一品券」:割引よりも「もう一度来る理由」として設計する
  • 店内の掲示:「次のイベント」「季節メニューの予告」

初回割引のクーポンだけで呼んだお客様は、割引がないと戻りにくい傾向があります。理由と対策は「クーポン客がリピートしない理由と対策」で詳しく解説しています。

客単価を上げる施策:メニューの見せ方と「おすすめ」

客単価は値上げだけで上がるものではありません。「選びやすさ」と「もう一品」の設計で、お客様の満足を下げずに上げられます。

メニュー表とホームページのメニューページを整える

  • 看板メニューを最初に、写真つきで大きく載せる
  • 「迷ったらこれ」「2人ならこの組み合わせ」と選び方を示す
  • 価格は税込で統一し、「〜」や「時価」を減らす
  • コース・飲み放題・宴会プランは、人数と予算の目安を明記する

ホームページのメニューページも同じ考え方で作ります。来店前に「だいたいいくらか」が分かると、予算に合う人が来店し、注文もスムーズになります。

「もう一品」を自然に勧める

  • 声かけの例:「今日は〇〇が入っています。少量でもお出しできますよ」
  • ドリンクの提案:「この料理には〇〇が合います」
  • 締めやデザートの提案を、メニュー表の最後に写真で置く

押し売りではなく「選択肢を見せる」だけで、注文は変わります。スタッフ全員が同じ言い回しを使えるよう、短いメモにしておくと続きます。

宴会・コース・テイクアウトの導線

団体の宴会やコース予約は、客単価と来店人数の両方を上げます。ホームページに「宴会・貸切」のページを作り、人数・予算・個室の有無・コース例を載せ、フォームや電話で受け付けます。テイクアウトも、自社サイトからの注文導線があると、外部サービスの手数料を抑えやすくなります。

グルメサイト依存を減らす順番:今日からの進め方

グルメサイトは悪者ではありません。ただ、掲載料や手数料が固定費として重くなっているお店は、次の順番で自社経路を育てると、依存度を下げられます。

  1. Googleビジネスプロフィールを整え、週1回投稿する(今日〜1週間)
  2. 自社ホームページに「メニュー・料金・予約方法・アクセス」を載せる(〜1か月)
  3. 店頭とレジでLINE登録を案内し、月に数回配信する(〜2か月)
  4. 口コミをお願いする仕組み(QRコード・声かけ)を決め、返信を続ける(〜3か月)
  5. 「何を見て来ましたか?」を聞き、経路別の来店数を毎月メモする
  6. 自社経路からの来店が増えてきたら、グルメサイトのプランを見直す

ポイントは、グルメサイトをやめてから自社経路を作るのではなく、掲載を続けながら育てることです。順位や来店数が約束されるものではないので、毎月の数字を見ながら判断してください。地域ごとの検索キーワードの傾向は「地域別ガイド」も参考になります。

よくある質問

飲食店の集客で、お金をかけずにできることは何ですか?

Googleビジネスプロフィールの整備と投稿、LINE公式アカウントの配信、Instagramの写真投稿、店頭での次回来店の一言、口コミのお願いは、いずれも費用をかけずに始められます。

グルメサイトはやめたほうがいいですか?

すぐにやめる必要はありません。比較検討中の人に届く場所として役割があります。自社経路(Googleマップ・ホームページ・LINE)からの来店が増えてから、プランの見直しを検討するのが安全です。

Instagramは何を投稿すればいいですか?

料理の写真、仕込みの様子、季節メニュー、スタッフの一言で十分です。地名とジャンルのハッシュタグと位置情報をつけ、プロフィールにホームページやGoogleマップへのリンクを置いてください。

リピーターを増やすには何から始めればいいですか?

会計時の「次に来る理由」の一言と、LINE公式アカウントの友だち登録の案内から始めてください。どちらも今日から、費用をかけずにできます。

まとめ

  • 飲食店の集客は「新規・リピート・客単価」に分け、自店の弱いところから手をつける
  • 新規の入口は、Googleマップ(駅名×ジャンル)・グルメサイト・Instagram・自社ホームページ
  • リピートは、LINEで思い出すきっかけを作り、店頭で「次に来る理由」を一言添える
  • 客単価は、メニューの見せ方と「もう一品」の提案で、満足を下げずに上げる
  • グルメサイトは掲載を続けながら自社経路を育て、来店数を見ながらプランを見直す
  • 「何を見て来ましたか?」の一言で経路を記録し、月1回、施策を入れ替える
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。