店舗サイトのアクセス解析で見るべき3つの数字

Webの専門家が見る指標は数十個ありますが、店舗サイトの目的は「来店・予約・問い合わせ」に絞られます。目的から逆算すると、見るべき数字は次の3つです。

1. 流入元:どこから来た人か

Google検索から来たのか、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)からか、InstagramやLINEからか、チラシのQRコードからか。流入元が分かると、「どの集客施策が効いているか」を判断できます。検索からの流入が少なければ、地域名×業種のキーワードでページが見つかっていない可能性が高い、と読み取れます。

2. 見られたページ:どこに興味があるか

トップページの次に、メニュー・料金、アクセス、スタッフ紹介、お知らせのどれが見られているか。料金ページが多く見られているのに予約が少なければ、料金の見せ方や予約ボタンの位置に原因があるかもしれません。ほとんど見られていないページは、導線(リンク)が弱いか、そもそも需要がないかのどちらかです。

3. 行動:電話・LINE・予約・経路検索をしたか

店舗サイトにとって最も大事な数字です。電話番号のタップ、LINEの友だち追加ボタンのタップ、予約ボタンのクリック、地図アプリで経路を開いた回数など、来店に近い行動を数えます。この数字が月ごとに増えているかどうかが、ホームページが「効いているか」の判断基準になります。

GA4とサーチコンソールの役割分担

同じGoogleの無料ツールでも、見ている場所が違います。ざっくり「サーチコンソールはサイトに来る前、GA4はサイトに来た後」と覚えてください。

サーチコンソール GA4(Googleアナリティクス4)
見ている範囲 Google検索の結果画面での出来事 サイトに入ってからの行動
分かること どんな言葉で検索され、何回表示・クリックされたか 流入元、見られたページ、ボタンのタップ数など
店舗サイトでの使い方 「地域名×業種」で見つかっているかの確認 電話・LINE・予約などの行動数の確認
導入 サイトの所有権を確認するだけ 計測タグをサイトに入れる必要がある

サーチコンソールは「どんな言葉で検索されたか」を見る

「〇〇駅 美容室」「〇〇市 整体 土日」のように、実際に検索された言葉と、表示回数・クリック数が分かります。店舗サイトでは、この1点だけ見れば十分です。使い方は「サーチコンソールの使い方」で詳しく解説しています。

GA4は「来た人が何をしたか」を見る

GA4は、サイトに入った人の流入元、ページの閲覧、ボタンのタップなどを記録します。画面が多くて迷いやすいツールですが、店舗サイトでは「集客(流入元)」「ページとスクリーン(見られたページ)」「キーイベント(行動)」の3か所だけを見れば足ります。画面の名称や配置は変わることがあります。

Googleビジネスプロフィールの数字は別物

Googleビジネスプロフィールの管理画面にも、表示回数・電話・経路・ウェブサイトクリックの数字が出ます。これは「Googleマップや検索結果に出たプロフィール上での行動」で、ホームページ上の行動とは別に数えられます。両方を月1回並べて見ると、地図経由と検索経由のバランスが分かります。

電話タップ・LINEタップ・予約クリックを計測する方法

GA4を入れただけでは、電話番号のタップや予約ボタンのクリックは「行動」として数えられません。ここを設定するかどうかで、アクセス解析が役に立つかどうかが決まります。

数えたい行動を先に決める

計測する行動は、次の中から3〜4個に絞ります。多すぎると見なくなります。

  • 電話番号のタップ(スマホで「電話をかける」を押した回数)
  • LINEの友だち追加・トークボタンのタップ
  • 予約ボタン・予約ページへのクリック
  • 問い合わせフォームの送信完了
  • 地図アプリ・経路案内リンクのタップ

設定の大まかな流れ

GA4では、こうした行動を「イベント」として記録し、特に大事なものを「キーイベント」として印を付けます。電話番号(tel:リンク)のタップは、GA4の標準の設定だけでは記録されないことが多く、Googleタグマネージャーというツールで「電話リンクがクリックされたら記録する」設定を追加するのが一般的です。予約ページが外部の予約システムにある場合は、「予約ボタンのクリック」を数えるのが現実的です。

設定は一度作れば済むので、自分で調べながらやるより、制作会社や運用を任せている会社に頼むほうが早いことが多いです。頼むときは「電話タップ・LINEタップ・予約クリックを、GA4のキーイベントとして計測できるようにしてください」と伝えれば通じます。

「どこから来た人が行動したか」まで見る

行動の数だけでなく、「検索から来た人の行動」「Instagramから来た人の行動」のように流入元と組み合わせて見ると、施策の判断ができます。Googleビジネスプロフィールからのクリックは、GA4上で検索と区別しにくいことがあるため、プロフィールに登録するURLに識別用のパラメータ(UTM)を付ける方法がよく使われます。こちらも制作会社に相談してください。

月1回15分のチェック習慣と、数字の読み方

アクセス解析は毎日見る必要はありません。店舗サイトの数字は日ごとの変動が大きく、毎日見ると一喜一憂して疲れるだけです。月初に15分、次の順番で確認します。

手順(15分)

  1. サーチコンソールで、先月の検索語句の上位と、表示回数・クリック数を見る(5分)
  2. GA4の「集客」で、流入元ごとの人数を見る(3分)
  3. GA4の「ページとスクリーン」で、見られたページの上位5つを見る(3分)
  4. GA4の「キーイベント」で、電話・LINE・予約の回数を見る(2分)
  5. 下の記録表に書き写し、先月と比べて増減を1行メモする(2分)

記録表の例

検索からの流入 マップ・SNSからの流入 上位ページ 電話タップ LINE 予約クリック メモ(何をした月か)
4月
5月

数字の大小より「先月比で増えたか減ったか」と「何をした月か(投稿を増やした、写真を差し替えた等)」を横に書いておくことが大事です。3か月分たまると、何が効いたかが見えてきます。

数字の状態別・最初に試すこと

数字の状態 考えられる原因 最初に試すこと
検索からの流入が少ない 地域名×業種でページが見つかっていない ページタイトルと本文に地域名・業種名を入れる。Googleビジネスプロフィールと連携する
流入はあるが行動が少ない 電話・予約ボタンが見つけにくい。料金や場所が分かりにくい ボタンを画面下に固定する。料金とアクセスのページを見直す
料金ページで離脱が多い 料金の見せ方が分かりにくい。比較材料がない メニューの説明と「初めての方向け」の案内を足す
アクセスページが見られていない 場所の不安がない、または導線が弱い 各ページからアクセスページへのリンクを置く
SNSからの流入が多く検索が少ない SNS頼みで、指名検索以外に弱い ホームページの文章とページ構成を地域検索向けに見直す

「流入はあるのに問い合わせがない」状態の直し方は「ホームページで集客できない原因10個と直し方」に、効いているかどうかを数字で判断する考え方は「店舗ホームページの効果測定」にまとめています。

地域によって「当たり前の数字」は違う

駅前の美容室と郊外の整体院では、検索からの流入の比率も、電話とLINEの比率も違います。他店の数字と比べるより、自店の先月と比べてください。地域ごとの検索の傾向は「地域別ガイド」も参考になります。

アクセス解析でやりがちな間違い

アクセス数だけを見る

アクセス数が増えても、来店につながる行動が増えていなければ意味がありません。逆に、アクセス数が少なくても、電話タップの割合が高いサイトは「見つけた人がきちんと動いている」良い状態です。

自分やスタッフのアクセスを含めてしまう

お店のパソコンやスマホから毎日確認していると、その分がアクセスに含まれます。GA4には特定の接続元を除外する設定があるので、制作会社に「店舗のアクセスを除外してほしい」と伝えてください。

毎日見て、すぐ変える

日ごとの数字は、天気や祝日で簡単に動きます。月単位で見て、3か月の流れで判断するのが基本です。

数字を見ても何も変えない

記録表に「次の一手」を書き、翌月に結果を見る。この繰り返しがアクセス解析の本体です。見るだけで終わるなら、時間の無駄になります。

よくある質問

店舗サイトにGA4は必要ですか?サーチコンソールだけではだめですか?

サーチコンソールだけでも「どんな言葉で検索されたか」は分かります。ただし、電話タップや予約クリックといった「行動」はGA4でしか数えられないため、効いているかを判断したいなら両方入れるのがおすすめです。

アクセス数はどれくらいあれば良いのですか?

業種・地域・店の規模で全く違うため、目安の数字はありません。他店と比べるのではなく、自店の先月・3か月前と比べて、行動(電話・LINE・予約)が増えているかで判断してください。

設定は自分でできますか?

サーチコンソールの登録は自分でもできます。GA4の導入と電話タップなどの計測設定は、慣れていないと時間がかかるため、制作会社や運用会社に頼むのが現実的です。頼むときは「電話・LINE・予約のクリックをキーイベントとして計測してほしい」と伝えてください。

Googleビジネスプロフィールの数字とGA4の数字が合いません。

数えている場所が違うので、合わなくて正常です。プロフィールの「ウェブサイトクリック」はGoogleマップ上での行動、GA4はホームページ上での行動です。両方を並べて、それぞれの増減を見てください。

まとめ

  • 店舗サイトのアクセス解析で見る数字は「流入元・見られたページ・行動」の3つだけ
  • サーチコンソールは「サイトに来る前(検索語句)」、GA4は「来た後(行動)」を見る道具
  • 電話タップ・LINEタップ・予約クリックを、GA4のキーイベントとして計測する設定が肝心
  • 毎日ではなく月1回15分。記録表に先月比と「何をした月か」を書く
  • 数字は他店ではなく自店の過去と比べ、3か月の流れで判断する
  • 見るだけで終わらせず、「次の一手」を1つ決めて翌月に確認する
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。