効果が「分からない」のは、見ている数字が違うから

アクセス数だけでは判断できない理由

アクセス数(PV・訪問者数)は、お店にとっての成果ではありません。100人が見て誰も来なければ効果はなく、20人しか見なくても5人が予約すれば効果はあります。アクセス数は「見られたか」を示すだけで、「来店につながったか」は別の数字で見る必要があります。

また、店舗サイトのアクセス数は、そもそも多くありません。日に数十人という規模でも、地域のお店としては普通です。少ない数字を眺めて落ち込むより、その中で何人が行動したかを見るほうが、判断に役立ちます。

店舗サイトの「成果」は来店に近い5つの行動

行動 意味 主な計測手段
電話タップ 今すぐ行きたい・聞きたい人 アクセス解析のイベント
LINE友だち追加 予約・相談の前段階 LINE公式アカウントの追加経路、専用リンク
予約・フォーム送信 来店の確定に近い 予約システムの経路、完了ページの表示数
経路検索・地図タップ 来店直前の行動 Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス
来店時の「ホームページを見た」 数字に出ない効果を補う 会計・予約時のひと言、アンケート

目標を決める前に「今の数」を数える

目標は、現状が分かってから決めます。まず1か月、上の5つを数えてください。「電話タップ月30回、予約8件、『見た』と言われた人12人」のように現状が出て初めて、「来月は予約10件」という現実的な目標が立てられます。

問い合わせを計測する方法(電話・LINE・予約・フォーム・経路検索)

電話タップ:電話番号リンクのタップを数える

スマホでホームページの電話番号をタップすると、発信画面が開きます。このタップは、Googleアナリティクス(GA4)などのアクセス解析で「イベント」として数えられます。設定にはGoogleタグマネージャーなどを使うのが一般的なので、制作会社に「電話番号リンクのタップをイベントで計測したい」と伝えてください。

タップ数は実際の通話数より多めに出ます(誤タップ、途中でやめた人)。それでも月ごとの増減を見るには十分な数字です。

LINE友だち追加:ホームページ専用のリンクやQRコードを使う

LINE公式アカウントの管理画面には、友だちがどの経路から追加したかを見る機能があります(画面の表記は変わることがあります)。ホームページ用、店頭POP用、Instagram用と経路を分けて発行しておくと、「ホームページ経由で何人追加されたか」が分かります。

予約・フォーム送信:完了ページを数える

ネット予約や問い合わせフォームは、送信後に「ありがとうございました」の完了ページが表示される仕組みが多いです。この完了ページの表示回数をアクセス解析で数えれば、送信数がほぼ分かります。予約システムによっては「どのリンクから予約が入ったか」のレポートがあるので、あわせて確認します。

フォームに「何を見て知りましたか」の選択式の項目を1つ足すと、来店経路の記録がそのまま貯まります。

経路検索・地図:Googleビジネスプロフィールで見る

Googleビジネスプロフィールの管理画面(パフォーマンス)には、経路検索・電話・ウェブサイトへのクリック数が表示されます。「ウェブサイトへのクリック」は、地図からホームページに来た人数です。地図とホームページは別々ではなく、セットで効果を見ます。

計測方法の3段階

段階 やること 向いているお店
初級(今日から) 電話・予約・来店時の「見た」を紙や表計算で手で数える まず始めたいお店
中級 GA4で電話タップ・完了ページ・LINEボタンをイベント計測 制作会社や保守契約がある
上級 リンクにパラメータを付け、媒体別(地図・Instagram・チラシ)に成果を分ける 複数の集客媒体を使っている

初級だけでも、十分に判断できます。アクセス解析の基本は「店舗サイトのアクセス解析」で、検索語句の見方は「サーチコンソールの使い方」で解説しています。

来店時のアンケート・ひと言ヒアリング(数字に出ない効果を補う)

聞き方:選択肢を用意して、ひと言で

「何を見てご来店ですか?」とだけ聞くと、「なんとなく」「前から知っていた」で終わります。選択肢を見せて指してもらう形にします。

初めてのご来店ありがとうございます。今後の参考に、当店を何でお知りになったか教えていただけますか? Googleマップ/ホームページ/Instagram/ご紹介/通りがかり/その他

美容室・整体なら初回カルテに、教室なら体験申込フォームに、飲食店ならレジ横の小さなカードに、この選択肢を入れておきます。

集計の型

  • 紙なら「正の字」で媒体別に数え、月末に表計算ソフトへ転記する
  • 「Googleマップで見つけてホームページで決めた」のような複数回答は、両方に1ずつ数える
  • 新規客だけを対象にする(常連は「前から」になるため)

「Googleマップ」と「ホームページ」を分けて聞くと、地図で見つけた後にホームページで決めているかが分かります。この組み合わせが多いお店ほど、ホームページの内容が来店を後押ししています。

月次レビューの型(月1回30分)

記録シート(コピーして使えます)

項目 当月 前月 前年同月 メモ
ホームページ訪問数
見られたページ上位3つ
電話タップ数
LINE友だち追加数(ホームページ経由)
予約・フォーム送信数
地図からの経路検索・電話・ウェブサイトクリック
来店アンケート「ホームページ」の数
新規の口コミ数・平均評価
当月やったこと(投稿・更新・キャンペーン)

見る順番は「成果 → ページ → 流入」

  1. 成果:電話・LINE・予約・経路検索・「見た」の数が、前月と比べてどうか
  2. ページ:どのページが見られ、どのページから行動が起きたか(メニュー・アクセス・トップ)
  3. 流入:どこから来たか(Googleマップ、検索、Instagram、LINE、チラシのQRコード)

アクセス数から見始めると、上下に気を取られて成果にたどり着きません。順番を逆にするのがコツです。

比べ方と判断基準

結果 考え方 次にやること
成果が増えた 当月やったことのどれが効いたか特定する 効いたことを翌月も続ける
成果が減った 季節・天候・競合の出店・営業日数の違いを先に疑う 前年同月と比べ、外的要因でなければ導線を確認
横ばい 変化がないのは「何もしていない」か「打ち消し合い」 改善を1つだけ決めて実行
訪問は増えたが成果は横ばい 見られているのに行動されていない 料金・写真・ボタン位置を見直す

前月比だけで判断すると、季節の波に振り回されます。1年分たまるまでは、「前月」と「やったこと」の2つを並べて見てください。

改善の優先順位の決め方

症状別の直す場所

症状 直す場所 具体例
見られているのに行動が少ない 導線 電話・予約ボタンを全ページの目立つ位置に、料金を税込で明記、外観・料理の写真
そもそも見られていない 流入 Googleビジネスプロフィールとの紐づけ、ページタイトルへの地域名×業種、投稿の継続
行動はあるのに来店にならない 受け皿 電話がつながらない時間帯、予約枠の不足、LINE・フォームへの返信速度
来店するがリピートしない 店内・関係づくり 次回予約の案内、LINEでのお礼、口コミのお願い

「見られていない」場合の原因の切り分けは「ホームページで集客できない原因10個と直し方」で詳しく扱っています。

「影響が大きく、手間が小さい」ものから

改善案が複数あるときは、次の表で位置づけてから選びます。

影響と手間 手間が小さい 手間が大きい
影響が大きい 最初にやる(ボタン位置、料金の明記、地図へのURL登録) 計画してやる(メニューページの作り直し、写真の撮り直し)
影響が小さい 空き時間にやる(誤字修正、写真の追加) やらない・後回し

月に1つだけ実行し、翌月のレビューで結果を見ます。同時に複数変えると、何が効いたか分からなくなります。

計測できていないなら、まずそこから

公開時に計測の設定をしていないと、レビューのしようがありません。設定項目は「ホームページ公開前・公開後のチェックリスト」にまとめています。地域名検索での見つかり方を確認したい場合は、「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

アクセス数が少ないのですが、効果はないということですか?

そうとは限りません。店舗サイトは訪問数が少なくても、その中の何人が電話・予約・来店につながったかで判断します。日に数十人でも、来店に近い行動が起きていれば役割を果たしています。

効果測定にツールの導入は必要ですか?

最初は不要です。電話・予約の件数と、来店時の「何で知ったか」を紙で数えるだけで判断できます。月ごとの増減を安定して見たくなったら、GA4のイベント計測を制作会社に相談してください。

「ホームページを見た」と言われないのは、効果がないからですか?

聞き方の問題であることが多いです。選択肢を見せずに聞くと「なんとなく」で終わります。「Googleマップ/ホームページ/Instagram…」と選択肢を用意し、新規客全員に同じ聞き方をしてから判断してください。

どれくらいの期間で効果を判断すればいいですか?

最低3か月、できれば季節の影響が見える1年分の記録をおすすめします。ただし「計測できているか」「行動につながる導線があるか」は初月から判断できます。

まとめ

  • 効果測定はアクセス数ではなく、電話タップ・LINE追加・予約・経路検索・来店時の「見た」の5つを数えること
  • 計測は初級(手で数える)で十分に始められる。中級はGA4のイベント、上級は媒体別のパラメータ
  • 来店時は選択肢を見せて聞く。「Googleマップ」と「ホームページ」を分けると、決め手が分かる
  • 月1回30分、記録シートに「当月・前月・やったこと」を並べ、成果→ページ→流入の順に見る
  • 減ったときは季節や営業日数を先に疑い、横ばいなら改善を1つだけ決めて実行する
  • 改善は「見られているのに行動が少ない=導線」「見られていない=流入」「行動はあるが来店しない=受け皿」で切り分ける
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。