まず「どこで詰まっているか」を3段階で切り分ける
原因を探す前に、お客様がどの段階で止まっているかを数字で確かめます。使うのは、Googleが無料で提供している2つのツールと、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに表示されるお店の情報)の管理画面です。
| 段階 | 症状 | 見る数字 | 使うツール |
|---|---|---|---|
| 1. 見られていない | アクセスがほとんどない | 検索結果に表示された回数、クリック数 | サーチコンソール |
| 2. 伝わっていない | アクセスはあるが、すぐ離脱する | 見られたページ、滞在時間、直帰の傾向 | Googleアナリティクス |
| 3. 行動につながらない | 見られているのに、電話・予約が来ない | 電話ボタンや予約ページへの到達数 | Googleアナリティクス、予約システムの記録 |
確認に使う無料ツール
- サーチコンソール:どんな言葉で検索され、何回表示・クリックされたかが分かります。店舗サイトでは「検索された言葉」だけ見れば十分です。使い方は「サーチコンソールの使い方」で解説しています
- Googleアナリティクス:訪問数、どのページが見られたか、どこから来たかが分かります。見るべき数字は3つだけです。「店舗サイトのアクセス解析」を参考にしてください
- Googleビジネスプロフィールの管理画面:地図からホームページを開いた回数、電話、経路検索の数が分かります
これらが未設定なら、まず設定するところから始めてください。数字がなければ、原因の特定は勘に頼ることになります。画面の表記は変わることがあるので、大まかな流れとして読んでください。
段階1:検索されていない・アクセスが増えない原因(原因1〜4)
サーチコンソールで表示回数がほとんどない、または表示はあるのにクリックされない場合、次の4つを疑います。
原因1:Googleにページが登録されていない
作ったばかりのサイトや、設定に問題があるサイトは、Googleにまだ登録(インデックス)されていないことがあります。確認方法は、Googleで「site:自店のURL」と検索することです。何も出てこなければ、未登録の可能性が高いです。
直し方は、サーチコンソールにサイトを登録し、サイトマップ(ページの一覧)を送信することです。制作会社や作成ツールを使っている場合は、「検索エンジンに表示しない」設定が残っていないかも確認してください。
原因2:「地域名 × 業種」の言葉がページに書かれていない
お客様は「〇〇駅 美容室」「〇〇市 整体 土日」のように検索します。ところが、ホームページに駅名やエリア名が「アクセス」ページの住所にしか書かれていないケースが非常に多いです。トップページの見出しや紹介文に、「〇〇駅から徒歩〇分の美容室」のように、地域名と業種を自然に入れてください。
どの言葉が実際に検索されているかは、サーチコンソールの「検索された言葉」と、Googleで地域名を入力したときに出る候補(サジェスト)で確かめられます。地域ごとの傾向は「地域別ガイド」も参考になります。
原因3:Googleビジネスプロフィールと連携していない
GoogleビジネスプロフィールにホームページのURLが登録されていない、または店名・住所・電話番号の表記がホームページと食い違っていると、地図からの流入を取りこぼします。プロフィールのWebサイト欄にURLを入れ、店名・住所・電話番号の表記を両方で揃えてください。
原因4:スマホ対応・表示速度・SSLの基本が欠けている
スマホで文字が小さい、表示に何秒も待たされる、「保護されていない通信」と表示される。こうした基本的な不備は、お客様の離脱だけでなく、検索での評価にも影響する傾向があります。自分のスマホで開いてみるのが最も早い確認方法です。詳しくは「店舗ホームページのスマホ対応」で5つの確認項目を解説しています。
段階2:見られても伝わらない原因(原因5〜7)
アクセスはあるのに、すぐに離脱されている場合です。お客様は「自分に合う店か」を数秒で判断しています。
原因5:何のお店か、3秒で分からない
スマホで開いた最初の画面に、「どこにある」「何の」「誰向けの」お店かが書かれていないと、お客様は判断できずに戻ってしまいます。おしゃれなキャッチコピーだけで、業種も場所も分からないトップページは典型例です。最初の画面には「〇〇駅徒歩〇分|〇〇専門の△△」のような一文を置いてください。
原因6:写真が少ない・暗い・古い
写真は、文章より先に見られます。外観がない、店内が暗い、数年前の写真で今の内装と違う、といった状態では、お客様は不安になります。スマホで十分なので、明るい時間帯に外観・内観・商品を撮り直してください。枚数の目安は、外観・内観・商品それぞれ複数枚、合計で20枚程度あると選択肢が広がります。
原因7:料金・メニュー・営業時間がない、または古い
「料金は店頭で」「メニューはお問い合わせください」では、比較の土俵に乗れません。また、営業時間や定休日が古いままだと、それを信じて来たお客様の信頼を一度で失います。料金は税込で、メニューは内容と所要時間まで、営業時間は最新の状態で載せてください。
段階3:行動につながらない原因(原因8〜10)
ページは読まれているのに、電話や予約が来ない場合です。ここは直すのが最も簡単で、効果が出やすい部分です。
原因8:電話・予約ボタンが遠い、スマホで押しにくい
電話番号が「お問い合わせ」ページの奥にしかない、スマホで番号をタップしても発信できない、予約ボタンがページの一番下にしかない。こうした導線の不備は、行動の直前でお客様を逃します。すべてのページから1タップで電話・予約に行ける位置(画面下に固定など)にボタンを置いてください。
原因9:「このお店を選ぶ理由」がない
「アットホームな雰囲気」「こだわりの素材」「丁寧な施術」といった言葉は、どのお店も使っています。お客様が知りたいのは、「自分の悩みや目的に合うか」です。「初めての方でも入りやすいカウンター席」「子連れ歓迎、ベビーカーのまま入れます」「土日も夜まで営業」のように、具体的な事実で書き換えてください。
原因10:更新が止まっている
最新のお知らせが1年以上前だと、「今も営業しているのか」と不安にさせます。月1回で構わないので、季節のメニュー、営業日のお知らせ、スタッフの一言など、日付が新しくなる更新を続けてください。Googleビジネスプロフィールの投稿と同じ内容で問題ありません。
診断チェックリストと、直す順番
ここまでの10個を、チェックリストにまとめます。「いいえ」がついた項目が、直すべき原因です。
| No. | チェック項目 | 確認方法 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 1 | Googleにページが登録されている | 「site:URL」で検索 | サーチコンソール登録、サイトマップ送信 |
| 2 | トップに「地域名 × 業種」が書かれている | 自分でトップを読む | 見出し・紹介文に駅名・エリア名を入れる |
| 3 | Googleビジネスプロフィールと連携している | プロフィールのWebサイト欄と表記を確認 | URL登録、店名・住所・電話の統一 |
| 4 | スマホで読みやすく、速く、https | 自分のスマホでモバイル回線から開く | 写真の軽量化、SSL化、レスポンシブ対応 |
| 5 | 最初の画面で何の店か分かる | 家族に3秒見せて聞く | 「地域+業種+誰向け」の一文を置く |
| 6 | 写真が明るく、今の店と同じ | 写真の日付と店内を見比べる | 明るい時間帯に撮り直す |
| 7 | 料金・メニュー・営業時間が最新 | 店頭の情報と照合する | 税込料金、内容、最新の営業時間に更新 |
| 8 | 全ページから1タップで電話・予約できる | スマホで各ページから試す | 固定ボタン、電話リンクの設定 |
| 9 | 具体的な「選ぶ理由」が書かれている | 競合のサイトと読み比べる | 事実ベースの言葉に書き換える |
| 10 | 3か月以内の更新がある | お知らせの日付を見る | 月1回の更新日を決める |
直す順番は「下流から」
おすすめの順番は、段階3(導線)→ 段階2(伝わり方)→ 段階1(アクセス)です。理由は、アクセスを増やす施策は時間がかかる一方で、導線と伝わり方の修正はその日にでき、今来ている数少ないお客様を取りこぼさなくなるからです。穴の空いたバケツに水を注ぐ前に、穴をふさぐ、という順番です。
- 今日〜今週:原因8・9・10(ボタン、選ぶ理由、更新)と原因7(料金・営業時間)
- 今月中:原因5・6(最初の画面、写真)と原因3・4(連携、スマホ対応)
- 継続:原因1・2(登録、地域名×業種の内容)と、月1回の数字の確認
直しても変わらないときに疑うこと
10個すべてを直しても数字が動かない場合は、ホームページの外側に原因があります。
- そもそも「地域名 × 業種」の検索数が少ない(需要が小さい商圏や業種)
- 競合が多く、地図枠でも検索結果でも上位に入れていない
- 直してから日が浅い(検索への反映には数週間〜数か月かかります)
- ホームページ以外の入口(Googleビジネスプロフィール、SNS、紹介、看板)が弱い
この場合は、ホームページ単体ではなく、Googleマップの対策や他の集客手段と組み合わせて考える段階です。効果が出ているかを数字で判断する方法は「店舗ホームページの効果測定」にまとめています。
よくある質問
ホームページのアクセスが増えないのですが、まず何を確認すればいいですか?
Googleで「site:自店のURL」と検索して、ページが登録されているかを確認してください。次に、トップページに「地域名 × 業種」の言葉が書かれているか、Googleビジネスプロフィールにホームページが登録されているかを見ます。
アクセスはあるのに、問い合わせが来ません。原因は何ですか?
多くの場合、導線(原因8)か、伝わり方(原因5〜7・9)の問題です。スマホで自店のページを開き、電話・予約まで1タップで行けるか、最初の画面で何の店か分かるか、料金と営業時間が最新かを確認してください。
直してから、効果はどれくらいで出ますか?
導線や伝わり方の修正は、今来ているお客様に対してすぐに効きます。検索経由のアクセスは、反映に数週間〜数か月かかるのが一般的です。効果は業種や地域の競合状況によって異なります。
作り直したほうが早いケースはありますか?
スマホ未対応、SSL未対応、古い作りで修正できない、といった土台の問題が複数ある場合は、部分修正より作り直しが結果的に安く済むことがあります。まず10項目を診断し、直せない項目が多ければ作り直しを検討してください。
まとめ
- 集客できない原因は「見られていない・伝わっていない・行動につながらない」の3段階のどこかにある
- サーチコンソール、Googleアナリティクス、Googleビジネスプロフィールの数字で、どの段階かを切り分ける
- 段階1は「登録・地域名×業種・プロフィール連携・スマホ対応」、段階2は「最初の画面・写真・料金と営業時間」、段階3は「ボタン・選ぶ理由・更新」
- 直す順番は下流から。導線と伝わり方は今日直せる、アクセスは時間がかかる
- 10個すべて直しても動かないときは、需要・競合・経過日数・他の入口を疑う