複数店舗のホームページは「共通」と「店舗別」に分けて設計する

最初に決めるのは、「1つのサイトに全店舗をまとめるか」「店舗ごとに別のサイトにするか」です。多くの場合は、1つのサイトにまとめて、店舗別ページを設ける構成が扱いやすくなります。

1サイトにまとめるか、店舗ごとに分けるか

判断の軸 1サイトに店舗別ページ 店舗ごとに別サイト
向いている状況 同じ屋号・同じメニュー・同じ運営 屋号や業態が店舗ごとに違う
管理の手間 少ない(1か所で更新) 多い(サイト数だけ更新)
ブランドの伝わり方 統一しやすい 店舗ごとの個性を出しやすい
費用 抑えやすい サイト数分かかる
検索での見つかり方 店舗別ページの作り込み次第 各サイトの作り込み次第

屋号が同じで、メニューや料金がほぼ共通なら、1サイトに店舗別ページを設ける構成で十分です。屋号も業態も違う(例:居酒屋とカフェ)場合は、別サイトにしたうえで、会社のページから相互にリンクする形が分かりやすくなります。

共通ページと店舗別ページの振り分け

共通ページ(1つだけ作る) 店舗別ページ(店舗ごとに作る)
ブランド・お店の想い 店名・住所・電話・営業時間・定休日
メニュー・料金(全店共通のもの) 地図・道順・駐車場
こだわり(食材・技術・方針) 外観・内観の写真
会社概要・採用 スタッフ紹介
よくある質問(全店共通) 店舗限定メニュー・設備(個室・座席数・キッズスペース)
お知らせ(全店共通) 店舗のお知らせ・予約導線・口コミ

「どちらに置くか迷う情報」は、店舗によって内容が違うなら店舗別、全店同じなら共通、と判断します。

店舗一覧ページと店舗別ページに必要な情報

店舗別ページは、その店舗にとっての「トップページ」です。1店舗だけのサイトに必要な情報は、店舗別ページにも必要だと考えてください。

店舗一覧ページ:「自分に近い店」をすぐ見つけられるように

店舗一覧ページは、地域(都道府県・市・沿線)ごとに店舗を並べ、各店舗に「店名」「最寄り駅・エリア」「営業時間」「電話」「店舗別ページへのリンク」を表示します。店舗が多い場合は、地図から選べる形や、エリアで絞り込める形を検討します。スマホでは、一覧の各店舗から直接「電話」「予約」に進めるとさらに便利です。

店舗別ページの必須項目チェックリスト

  • 店名(屋号+店舗名。例:「○○ 渋谷店」)
  • 住所(ビル名・階数まで)と電話番号
  • 営業時間・定休日・年末年始などの特別営業
  • 地図(埋め込み)と、最寄り駅からの道順、目印
  • 駐車場・駐輪場の有無
  • 外観・内観・席や施術スペースの写真(この店舗で撮ったもの)
  • スタッフ紹介(この店舗に在籍する人)
  • 店舗限定のメニュー・設備・サービス
  • 予約・問い合わせの導線(この店舗の予約に直接つながるもの)
  • この店舗のGoogleビジネスプロフィール(地図・口コミ)へのリンク

写真とスタッフは「その店舗のもの」を使うことが重要です。全店で同じ写真を使い回すと、店舗別ページの内容がほぼ同じになり、検索エンジンからも利用者からも区別がつかなくなります。道順の書き方は「アクセスページの作り方」を参考にしてください。

URLの構造をそろえる

店舗別ページのURLは、「/shop/shibuya/」「/shop/yokohama/」のように、規則的にそろえます。店舗が増えたときに同じルールで追加でき、Googleビジネスプロフィールにも登録しやすくなります。ドメインの考え方は「店舗のドメインの決め方」で解説しています。

地域名の設計:店舗別ページが「地域名×業種」で見つかる作り方

複数店舗の強みは、店舗ごとに違う地域名で検索の入口を持てることです。ただし、店舗別ページの中身が薄いと、その強みは活きません。

店舗別ページのタイトルは「地域名×業種×屋号」

各店舗別ページのタイトル(検索結果に出る見出し)は、「渋谷駅徒歩3分の美容室|○○ 渋谷店」のように、地域名・業種・屋号を含めます。共通ページのタイトルには特定の店舗の地域名を入れず、ブランド名と業種を中心にします。地域名をどのページに担当させるかを決めると、店舗どうしで同じ検索を奪い合うことを避けられます。

「同じ文章の使い回し」を避ける

店舗別ページで住所と電話番号だけを変え、それ以外を同じ文章にすると、検索エンジンにはほぼ同じページと見なされます。次の項目は、店舗ごとに書き分けてください。

  • 店舗の紹介文(この店舗の特徴、客層、立地の説明)
  • 最寄り駅からの道順、周辺の目印
  • スタッフの紹介
  • 店舗限定のメニュー・設備
  • この店舗のお客様の声・口コミ

書き分けのコツは、「この店舗にしかない話」を店長に3つ挙げてもらうことです。「近くに大学があるので学生のお客様が多い」「駐車場が広く、家族連れが多い」のような話が、そのまま紹介文になります。地域ごとの検索傾向は「地域別ガイド」も参考にしてください。

検索される言葉の型と受け皿

受け皿になるページ
地域名×業種 「渋谷 美容室」「横浜 整骨院」 各店舗別ページ
屋号×店舗名 「○○ 渋谷店」 各店舗別ページ
屋号のみ 「○○」 トップページ・店舗一覧
屋号×目的 「○○ 採用」「○○ メニュー」 共通ページ

Googleビジネスプロフィールとの紐づけ

複数店舗では、Googleビジネスプロフィールも店舗ごとに1つずつ用意し、ホームページの店舗別ページと1対1で結びつけます。ここがずれると、地図からホームページに来た人が別の店舗の情報を見てしまいます。

各プロフィールの「ウェブサイト」には店舗別ページを登録する

店舗ごとのGoogleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄には、トップページではなく、その店舗の店舗別ページのURLを登録します。予約リンクも、その店舗の予約に直接つながるURLにします。逆に、店舗別ページにはそのプロフィール(地図・口コミ)へのリンクを置きます。

NAP(店名・住所・電話番号)を全媒体でそろえる

店名の表記(「渋谷店」か「渋谷駅前店」か)、住所の書き方(ビル名・階数・全角半角)、電話番号をそろえます。ホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNS・ポータルサイトで、すべて同じ表記にします。店舗ごとに担当者が違うと表記がばらつきやすいので、店舗情報の「正式な表記」を1つの表にまとめて共有してください。

店舗が多い場合の管理

Googleビジネスプロフィールは、複数の店舗を1つのアカウントでまとめて管理できます。店舗数が多い場合は、一括で登録する方法も用意されています(画面の表記や手順は変わることがあります)。具体的な手順と運用ルールは「複数店舗のGoogleビジネスプロフィール管理」にまとめています。

更新の分担ルールと、統一と個性のバランス

複数店舗のホームページは、「誰が・何を・いつ更新するか」を決めないと、すぐに情報が古くなります。同時に、ブランドとしての統一感と、店舗ごとの個性のバランスも必要です。

更新の分担表を作る

項目 担当 頻度・タイミング
営業時間・臨時休業 各店舗の店長 変更が決まったその日
店舗のお知らせ・写真 各店舗の店長 月1回以上
スタッフの入退社 各店舗の店長 → 本部が反映 変更のつど
メニュー・料金(共通) 本部 改定時
ブランド・会社情報・採用 本部 改定時
Googleビジネスプロフィールの投稿・口コミ返信 各店舗の店長(本部が確認) 週1回

店舗側の更新は「営業時間・お知らせ・写真・口コミ返信」に絞り、それ以外は本部が担当する形にすると、店舗の負担が抑えられます。店舗側が直接編集できる範囲を制作会社に相談して決めておくと安心です。更新のネタの考え方は「店舗ホームページの更新頻度とネタ帳」で解説しています。

統一するもの・店舗に任せるもの

  • 統一する:ロゴ、色、写真のトーン、料金表の形式、口コミ返信の基本方針、店舗別ページの項目の並び
  • 店舗に任せる:紹介文の中身、スタッフ紹介の書きぶり、店舗のお知らせ、店舗限定メニュー

「型は統一し、中身は店舗に任せる」と決めると、ブランドの統一感を保ちながら、各店舗の個性が伝わるサイトになります。統一するものは「ルール表」として1枚にまとめ、新しい店舗が増えたときにも同じ型で作れるようにしておきます。

よくある質問

2店舗目を出しました。既存のサイトに住所を足すだけではだめですか?

住所を足すだけでは、2店舗目は「地域名×業種」の検索で見つかりにくく、Googleビジネスプロフィールとの紐づけも中途半端になります。2店舗目用の店舗別ページを作り、そのURLを2店舗目のプロフィールに登録するのが基本です。

店舗ごとに別のドメインでサイトを作ったほうが、検索に強くなりますか?

一概には言えません。同じ屋号・同じ業態なら、1つのサイトに店舗別ページを作るほうが管理しやすく、ブランドの評価もまとまりやすい傾向があります。屋号や業態が違う場合は別サイトが分かりやすい選択です。

店舗別ページの写真は、全店同じものを使ってもいいですか?

その店舗で撮った写真を使ってください。同じ写真の使い回しは、店舗別ページの内容が似通う原因になり、来店前の人にも店舗の様子が伝わりません。

フランチャイズ加盟店の場合、本部のサイトとは別に自分のサイトを作れますか?

本部の規約によります。本部が用意する店舗別ページの範囲と、加盟店が独自に情報発信できる範囲(Googleビジネスプロフィール、SNSなど)を、事前に確認してください。

まとめ

  • 複数店舗のホームページは「共通ページ」と「店舗別ページ」に分け、店舗別ページは1店舗1ページ作る
  • 店舗一覧ページは地域ごとに並べ、各店舗から電話・予約に直接進める形にする
  • 店舗別ページには、その店舗の住所・営業時間・地図・写真・スタッフ・限定情報・予約導線を載せる
  • 店舗別ページのタイトルは「地域名×業種×屋号」。文章の使い回しは避け、店舗ごとに書き分ける
  • Googleビジネスプロフィールは店舗ごとに1つ。ウェブサイト欄には店舗別ページのURLを登録し、NAPをそろえる
  • 更新は「店舗が営業時間・お知らせ・写真・口コミ返信、本部がそれ以外」と分担し、型は統一・中身は店舗に任せる
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。