テイクアウト集客は「見つかる場所」と「注文する場所」を分けて考える

テイクアウト・デリバリーの注文は、お客様がどこで自店を知り、どこで注文するかによって、手数料も客層も変わります。まずルートを整理します。

注文までの3つのルート

ルート お客様の状態 手数料
デリバリーアプリ 「今日は何か頼もう」とアプリを開き、比較して選ぶ サービス・プランによって異なる(公式サイトで確認)
検索・Googleマップ 「〇〇駅 テイクアウト」で探し、店の情報を見て注文 自社の電話・LINE・フォームなら不要
常連の直接注文 店を知っていて、電話やLINEで頼む 不要

デリバリーアプリと自社注文の使い分け(一般論)

デリバリーアプリは、自店を知らない人に見つけてもらい、配達の仕組みを借りられるのが利点です。一方で、手数料が売上に対してかかるため、単価の低いメニューでは利益が残りにくくなります。手数料の水準や条件はサービスとプランによって異なるので、最新の内容は各社の公式サイトで確認してください。

自社の注文導線(電話・LINE・注文フォーム)は、手数料がかからず、お客様の連絡先が残るためリピートにつなげやすい反面、新規に見つけてもらう力は弱く、受け取りに来てもらう必要があります。

判断の目安

  • 新規の割合が高い、配達手段がない → アプリを「入口」として使い、自社導線へ移す
  • 常連が多い、住宅街で徒歩・自転車の受け取りが多い → 自社導線を中心にする
  • 客単価が低い → アプリではセットや家族向けメニューで単価を上げる

アプリで知ったお客様に、商品と一緒に「次回は直接注文で受け取りがスムーズです」などの案内カードを入れると、2回目からは手数料のかからない経路に移りやすくなります。ただし、アプリの規約で禁止される案内もあるため、利用規約は必ず確認してください。

「地域名×テイクアウト」の検索で見つかる設定

「テイクアウト」「持ち帰り」「弁当」で探す人は、Googleマップと検索を使います。ここで見つかるかどうかが、自社導線の注文数を左右します。

Googleビジネスプロフィールでやること

  • 属性:「テイクアウト(お持ち帰り)」「デリバリー(宅配)」など該当するものをオンにする(画面の表記は変わることがあります)
  • 注文リンク:ホームページの注文ページやLINEのURLを、注文用のリンク欄に登録する
  • 営業時間:テイクアウトの受付時間が店内営業と違う場合は、説明文と投稿で明記する
  • メニュー:テイクアウトのメニューを写真と価格付きで登録する
  • 投稿:週1回、「今週のお弁当」「限定〇食」を写真付きで載せる

基本の整え方は「Googleビジネスプロフィール完全ガイド」の記事を参照してください。

ホームページに「テイクアウト専用ページ」を作る

トップページの一部に書くのではなく、「テイクアウト・お持ち帰り」の専用ページを作ります。ページの見出しに「〇〇駅のテイクアウト」「〇〇市のお弁当・お持ち帰り」のように地域名を自然に入れると、地域名の検索で見つかりやすくなります。

このページのURLを、Googleビジネスプロフィールの注文リンク、LINEのリッチメニュー、店頭のQRコードの飛び先として統一します。飛び先がバラバラだと、情報の更新漏れが起きます。

注文が増えるテイクアウトのメニューページの作り方

テイクアウトのメニューページで多い失敗は、「店内メニューをそのまま載せる」ことです。持ち帰る人が知りたいのは、味の説明より「いくらで、いつ受け取れて、どう頼むか」です。

載せる項目

項目 書き方の例
メニュー名・価格(税込) 「唐揚げ弁当 850円(税込)」
写真 容器に入った状態の写真(店内の盛り付けとは別に撮る)
受け取り可能時間 「11:00〜14:00/17:00〜20:00」
注文の締切 「当日OK(30分前まで)」「5個以上は前日まで」
注文方法 電話・LINE・フォームのボタンを並べる
支払い方法 現金・キャッシュレスの対応
容器・温め直し 「電子レンジ対応容器」「保冷剤あり」
アレルギー・原材料 主要な項目を明記、詳細は問い合わせを案内

選びやすくする工夫

  • 「一人用」「家族用(3〜4人前)」「会議用(5個以上)」のように用途で分ける
  • 迷わせないために、おすすめ3品を先頭に出す
  • セットにして単価を上げる(メイン+サイド+ドリンク)

持ち帰りは軽減税率の対象で店内飲食と税率が異なるため、税込価格の見せ方は整理しておきます。税務の判断は税理士に確認してください。メニューページ全般の作り方は「メニュー・料金ページの作り方」で解説しています。

電話・LINE・注文フォームの導線を作る

自社注文の弱点は「注文のしにくさ」です。電話がつながらない、LINEの返事が遅い、というだけで、お客様はアプリに戻ります。受け方を決めておけば、少ない人手でも回せます。

電話注文:受付時間と確認項目を決める

電話は、年配のお客様や急ぎの注文に強い経路です。ピーク中に対応できない場合は、受付時間を絞ってホームページに明記します。電話を受けたら、次の5点を必ず確認する紙をレジ横に置きます。

  1. お名前と折り返し用の電話番号
  2. 注文内容と個数
  3. 受け取り時間
  4. 支払い方法
  5. アレルギーの有無

LINE注文:リッチメニューから「注文テンプレ」へ

LINE公式アカウントを使うと、注文と受け取り時間のやり取りをトークで完結できます。リッチメニューに「テイクアウト注文」ボタンを置き、タップすると注文の書き方が届くようにします。

「【テイクアウト注文】次の内容を送ってください。①お名前 ②メニューと個数 ③受け取り希望時間 ④お電話番号。確認後、こちらから受け取り時間をお返事します(受付 10:00〜19:00)」

この形なら、調理中でも後からまとめて返信できます。リッチメニューの設計は「店舗のLINEリッチメニューの作り方」にまとめています。

注文フォーム・予約システム

無料のフォーム作成ツールや、飲食店向けの予約・注文システムを使うと、注文内容が自動で記録され、聞き漏らしがなくなります。事前決済に対応したシステムなら、無断キャンセルのリスクも減らせます。料金や機能はサービスによって異なるため、比較して選んでください。

受け取りの動線

店内が混む時間帯でも受け渡しがスムーズになるよう、「受け取り専用カウンター」や「入口すぐの棚」を決め、ホームページに「入口右手のカウンターでお名前をお伝えください」と書いておきます。車で来る人が多い立地では、短時間の停車場所の案内も加えます。

テイクアウトの告知|店頭・SNS・地図・チラシ

導線ができたら、知ってもらう段階です。テイクアウトは「知っているけど頼んだことがない」人が多いので、繰り返し目に入る形で告知します。

店頭:のぼり・POP・QRコード

通りがかりの人には、「お弁当 850円〜 お持ち帰りできます」と価格まで書いたのぼりやPOPが効きます。店頭のQRコードはテイクアウトページかLINEに飛ばし、「次回はLINEで注文できます」と添えます。

Googleの投稿とInstagram:写真と限定で「今日頼む理由」を作る

「今週のお弁当」「金曜限定のから揚げ増量」など、写真付きの投稿を週1回続けます。Googleビジネスプロフィールの投稿は、店名や「〇〇 テイクアウト」で検索した人に直接見えるため、SNSと同じ内容で構わないので必ず載せます。

近隣のオフィス・住宅:チラシとLINE

会社の昼食や家庭の夕食を狙うなら、徒歩10分圏へのチラシやポスティングが向いています。チラシには必ずQRコードを載せ、LINEの友だち追加につなげると、2回目以降の告知が無料でできます。設計は「チラシ・看板の集客効果を高める方法」で解説しています。

平日昼の需要の拾い方は「飲食店の平日集客・アイドルタイム対策」も参考にしてください。住宅街とオフィス街では持ち帰りの時間帯も違うので、地域ごとの検索の傾向は「地域別ガイド」にまとめています。

続けるための運営チェックリスト

項目 確認
Googleビジネスプロフィールの属性と注文リンクが設定されている
ホームページにテイクアウト専用ページがあり、地域名が見出しに入っている
メニューページに価格・受け取り時間・締切・注文方法が載っている
電話・LINE・フォームのどれで受けるかと、受付時間が決まっている
LINEのリッチメニューに「テイクアウト注文」がある
店頭のQRコードとチラシの飛び先が同じページになっている
週1回、写真付きの投稿を出している
アプリ経由のお客様に、直接注文の案内を渡している(規約の範囲で)

よくある質問

デリバリーアプリはやめたほうがいいですか?

一概には言えません。新規のお客様に見つけてもらう入口としては価値があります。手数料の水準や条件はサービスによって異なるため公式サイトで確認し、利益が残るメニュー構成にしたうえで、2回目以降を自社導線に移す形が現実的です。

自社でデリバリーもやるべきですか?

配達の人手と範囲を確保できるなら選択肢になりますが、まずはテイクアウト(受け取り)から始めるのがおすすめです。配達は「近隣のオフィスへの弁当のまとめ配達」のように、条件を絞った形から試すと失敗が小さくなります。

テイクアウトの価格は店内と同じにすべきですか?

容器代や手間、税率の違いを踏まえて決めます。店内と違う価格にする場合は、ページ上で「テイクアウト価格(税込)」と明記し、混乱を避けてください。税務上の扱いは税理士に確認してください。

告知は何から始めればいいですか?

Googleビジネスプロフィールの属性・注文リンク・メニュー登録と、ホームページのテイクアウトページの2つが先です。検索で見つかる土台ができてから、店頭POP・投稿・チラシで繰り返し知らせる順番が効率的です。

まとめ

  • テイクアウト集客は「アプリで新規に見つかる」と「自社導線でリピートを受ける」を分けて設計する
  • アプリの手数料はサービスによって異なる。公式サイトで確認し、利益が残るメニュー構成にする
  • Googleビジネスプロフィールの属性・注文リンク・メニューと、地域名入りのテイクアウト専用ページが土台
  • メニューページは「価格・受け取り時間・締切・注文方法・支払い・容器」を明記する
  • 電話は確認項目を紙にし、LINEは注文テンプレを用意、フォームで記録を自動化する
  • 告知は店頭のQR、週1回の投稿、近隣へのチラシ。飛び先は同じページに統一する
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。