口コミサイトの対策で「できること・できないこと」

まず、お店側にできることの範囲をはっきりさせます。ここを誤解すると、できないことに時間を使ってしまいます。

項目 できる? 補足
口コミへの返信 多くのサイトで可(条件あり) 店舗として登録・契約していることが条件の場合が多い。無料掲載では返信できないこともある
口コミの削除 依頼のみ可 各サイトのガイドライン違反に該当する場合に、サイト側が判断する
評価(点数・星)の操作 不可 依頼・購入・サクラはどのサイトでも禁止
店舗情報の修正 営業時間・メニュー・写真は店舗側で最新にできる
お客様への口コミ依頼 可(条件あり) 見返りなし・評価の指定なしが原則。サイトの規約も確認
別の場所(Google等)への誘導 可(規約の確認を) 会計時やLINEで案内する。サイト内での誘導表現は規約に注意

主な口コミサイトの位置づけ(一般論)

  • 飲食店:食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Retty など。来店前の比較と予約に使われる
  • 美容室・ネイル・エステ:ホットペッパービューティーなど。予約と口コミが一体になっている
  • 整体・整骨院:EPARK などの予約サイト、Googleマップ
  • 不動産・学習塾:Googleマップの口コミが中心。業界の比較サイトもある
  • 全業種:Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)。無料で、地図検索に直結する

返信できるか、返信の文字数や表現に制限があるか、返信が公開前に確認されるかは、サイトとプランによって異なります。「返信機能があるのに使っていない」が一番もったいない状態なので、契約中のサイトの管理画面をまず確認してください。

返信方針をサイト横断で統一する

食べログではオーナーが返信し、ホットペッパーでは店長が返信し、Googleは誰も返信していない。こうしたばらつきは、お客様には「お店の姿勢」として見えてしまいます。方針を1枚にまとめて、どのサイトでも同じ対応にします。

「返信ポリシー」に書く7項目

  1. 対象サイト:契約中・登録中のサイトをすべて列挙する
  2. 担当:サイトごとに一次対応者を決める(1人にまとめても可)
  3. 期限:高評価は数日以内、低評価は一次確認を翌営業日まで
  4. 名乗りと一人称:「店長の〇〇」「当店」など統一する
  5. 返信の型:お礼→内容に触れる→お店の一言→締め
  6. NG事項:反論、言い訳、個人の特定、見返りの提示、医療的効果の断定
  7. エスカレーション:低評価・事実誤認・返金要求はオーナー確認

型と状況別の例文は「Googleの口コミ返信の書き方と例文」にまとめています。Google向けに作った例文は、口コミサイトでもそのまま使えます。

例文:飲食店の口コミサイト(指摘を含む口コミ)

ご来店いただきありがとうございます。お料理の提供が遅れ、ご迷惑をおかけしました。ご指摘の時間帯は予約が集中しており、ご案内が追いつかない状況でした。現在は提供の順番と人員配置を見直しております。次回はゆっくりお楽しみいただけるよう準備してお待ちしております。

例文:美容室の予約サイト(高評価の口コミ)

このたびはご来店とご投稿をありがとうございます。カラーの色味を気に入っていただけて、担当者もとても喜んでおりました。次回は季節に合わせたご提案もさせていただきますので、ぜひまたお越しください。

サイト固有の注意点

  • 返信に文字数の上限や、表現のルール(他店の名前、割引の提示など)が設けられている場合があります
  • 返信が公開される前にサイト側で確認される場合があり、公開まで時間がかかることがあります
  • 予約と口コミが連動しているサイトでは、来店した人だけが口コミを書ける仕組みになっていることがあります

いずれも一般論です。契約中のサイトの店舗向けヘルプで、最新のルールを確認してください。

口コミを「改善のサイクル」に回す(月1回の口コミ会議)

口コミサイトの本当の価値は、集客そのものより「お客様の本音が無料で集まること」にあります。返信して終わりではなく、月1回、次の4ステップで見返します。

ステップ1:全サイトの口コミを1枚のシートに集める

サイトごとに見ていると、傾向がつかめません。日付・サイト名・評価・要旨・分類・対応、の6項目で、1枚のスプレッドシートにまとめます。Googleの口コミも同じシートに入れてください。

ステップ2:分類する

  • 褒め:繰り返し出てくる強み(「駐車場が広い」「説明が丁寧」)
  • 指摘:改善できる不満(「待ち時間」「案内が分かりにくい」)
  • 要望:新しいメニューや営業時間などのリクエスト
  • 事実誤認・理不尽:返信で対応し、必要ならサイトに報告

ステップ3:優先順位をつけて直す

すべてに対応する必要はありません。次の3つに当てはまるものから直します。

判断基準
複数のサイトで繰り返し出ている 「予約したのに待った」が食べログとGoogleの両方にある
来店前の期待に関わる 料金・所要時間・駐車場・写真とのギャップ
費用や手間が小さい 案内表示の追加、メニューへの一言の追記

ステップ4:改善したら「伝える」

直した内容は、口コミへの返信、Googleビジネスプロフィールの投稿、ホームページのお知らせで伝えます。「待ち時間の目安を表示するようにしました」と一言あるだけで、過去の指摘が「改善するお店」の証拠に変わります。

満足の声をGoogle・自社サイトに集める

口コミサイトの口コミは、そのサイトの中でしか見られず、掲載をやめると集客に使えなくなります。一方、Googleの口コミは無料で、地図検索に直結し、掲載サイトを変えても残ります。満足したお客様の声は、優先してGoogleに集めるのがおすすめです。

なぜGoogleに集めるのか

  • 無料で、全業種が使える
  • 「地域名×業種」の地図検索で、口コミの数と評価が見られる
  • 返信・報告・通知など、お店側で管理できる範囲が広い
  • ポータルの掲載をやめても、口コミは残る

Googleの口コミを増やす仕組みは「Googleの口コミを増やす方法」で解説しています。通知や返信ルールの決め方は「Googleビジネスプロフィールの口コミ管理」にまとめました。

誘導のしかた

  • 会計時に「Googleに率直なご感想を」と一言添え、QRコードを指さす
  • LINE公式アカウントのお礼メッセージにGoogleの口コミリンクを入れる
  • ホームページに「お客様の声」ページを作り、Googleの口コミページへのリンクを置く

誘導するときの注意

  • 口コミサイトに書かれた口コミを、無断でホームページやSNSに転載しない(投稿者の著作権と、サイトの利用規約の問題があります)
  • 口コミサイトの返信欄で、他サイトへの誘導や割引の案内をしない(規約で制限されている場合があります)
  • Googleに誘導するときも、見返りや評価の指定はしない

ポータル掲載と自社集客のバランスの取り方は「ポータルサイト依存から抜け出す3ステップ」で詳しく説明しています。

口コミサイトでやってはいけないこと

どのサイトでも共通して禁止されている、または信頼を失う行為です。以下は一般論であり、法的助言ではありません。最終的な判断は各サイトの規約と、専門家や消費者庁の資料で確認してください。

  • サクラ・自作自演・購入した口コミ(サイトの規約違反で、ステマ規制の対象になるおそれ)
  • 割引やプレゼントと引き換えの口コミ依頼、評価の指定
  • 満足した人だけを選んで依頼し、不満のある人には頼まない仕分け
  • 返信欄での反論合戦、投稿者の特定や非難
  • 気に入らない口コミを片っ端から「違反」として報告する
  • 競合店への低評価の投稿

口コミサイトは、お店にとって「評価される場」であると同時に、「対応を見られる場」でもあります。淡々と、誠実に、同じ姿勢で返すことが一番の対策です。地域ごとの集客の考え方は「地域別ガイド」も参考にしてください。

よくある質問

食べログの低評価の口コミに、店舗として返信できますか?

店舗として登録・契約している場合、返信できる仕組みが用意されていることが一般的です。ただし、プランによって使える機能や表現のルールが異なるので、最新の仕様は店舗向けの管理画面やヘルプで確認してください。

ホットペッパービューティーの口コミには返信すべきですか?

はい。予約前に口コミと返信を読む人が多いので、返信の有無がそのまま「お店の姿勢」として見られます。Googleと同じ型・同じトーンで返信してください。

口コミサイトの口コミを削除してもらうことはできますか?

各サイトのガイドラインに違反する口コミ(虚偽、誹謗中傷、無関係な内容など)は、店舗から報告できます。削除の判断はサイト側が行い、低評価というだけでは削除されません。

口コミサイトをやめても、口コミはお店に残りますか?

サイトの掲載をやめると、そのサイトの口コミは集客に使えなくなるのが一般的です。だからこそ、満足の声はGoogleや自社サイトに集めておくことをおすすめします。

まとめ

  • 口コミサイト対策は「消す」ことではなく、返信方針の統一・改善への活用・Googleへの誘導の3つ
  • 返信できるかどうかはサイトとプランによる。契約中のサイトの返信機能を使えているか、まず確認する
  • 返信ポリシーを1枚にまとめ、どのサイトでも同じ型・同じトーンで返す
  • 月1回、全サイトの口コミを1枚のシートに集めて分類し、「複数サイトで繰り返し・期待に関わる・手間が小さい」ものから直す
  • 改善したら返信・投稿・ホームページで「変えました」と伝える
  • 満足の声はGoogleに集める。無断転載や見返り、サクラは行わない
この記事を書いた人:坂部 幸成(さかべ ゆきなり)

株式会社Shamoji 代表/店舗向けホームページ制作「HARE PAGE 店舗」運営

Web制作・運営、広告運用代行、SEO・LLMOコンサルティング、AI活用支援を手がける 株式会社Shamoji(2022年設立)の代表。店舗向けホームページ制作・運用サービス「HARE PAGE 店舗」を企画・運営し、飲食店・美容室・サロン・整体院・不動産会社のサイト制作と地域検索の設計を担当しています。記事の内容は執筆時点の一般的な情報であり、各サービスの最新の仕様・料金は公式情報をご確認ください。