MEOの順位は「検索した場所」で変わる
Googleは地図の表示順を「関連性・距離・知名度」で決めていると公表しています。このうち距離は、検索している人の現在地(または検索語に含めた地域)からお店までの近さです。
つまり、同じ「〇〇駅 美容室」でも、駅前で検索した人には駅前のお店が、駅から1km離れた住宅地で検索した人にはその近くのお店が上に出ます。自店の順位が「駅前では2位、住宅地では8位、隣駅では圏外」のようにばらつくのは正常で、異常ではありません。
順位チェックで押さえる3つの前提
- 順位は地点ごとに違う。「何位ですか?」には「どこで検索して?」がセットになる
- 自分のスマホで普通に検索すると、検索履歴や自店への訪問履歴の影響で、自店が上に出やすい。正しい順位ではない
- 順位は日々変動する。1日の上下に一喜一憂せず、月1回の同条件の記録で傾向を見る
「自店が上位に出ない」と感じたときの多くは、検索した場所が商圏の外側だった、または自分の端末の履歴で普段は高く見えていた、のどちらかです。
無料でできる順位チェックの手順
特別なツールがなくても、スマホとパソコンで地点別の順位を確認できます。月1回、30分ほどで済みます。
スマホで確認する(実際の地点で)
- ブラウザ(ChromeやSafari)をシークレットモード(プライベートブラウズ)にする
- Googleアカウントからログアウトした状態にする
- 端末の位置情報をオンにする
- 確認したい地点(店の前、徒歩10分圏、隣駅など)に実際に立ち、キーワードを検索する
- 検索結果の地図枠の3件と、「さらに表示」を押した先の一覧で、自店の位置を数える
Googleマップアプリで検索する場合も、履歴の影響を受けやすいため、アプリのアカウントを切り替えるか、ブラウザ版で確認するのが無難です。
パソコンで確認する(地点を動かして)
- ブラウザをシークレットモードにする
- Googleマップを開き、確認したい地点が画面の中心に来るように地図をドラッグする
- 検索窓にキーワードを入れて検索する
- 表示された一覧で、自店の位置を数える
- 地図を別の地点に動かし、同じキーワードで検索し直す
Googleマップの検索は、表示している地図の範囲を基準に結果を出します。地図を動かすだけで、「別の場所で検索した」状態に近づけられます。ただし、実際の端末の位置情報とは条件が異なるため、スマホでの実地確認と併用してください。
確認するキーワードと地点の決め方
- キーワード:メインの「地域名×業種」1〜2語と、目的語つきのサブ2〜3語。合計3〜5語
- 地点:お店の前、商圏の端(徒歩10分・車5分程度)、隣駅または隣のエリア、の3地点
- 頻度:月1回、同じ曜日・同じ時間帯
狙うキーワードの決め方は「MEOのキーワードの選び方」で解説しています。
地点別の見方と、結果の読み方
確認した結果は、次のような表に記録します。3か月分並べると、施策の前後で何が変わったかが見えます。
| キーワード | 店の前 | 商圏の端 | 隣駅 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 〇〇駅 美容室 | 2位 | 6位 | 圏外 | 隣駅は競合5店が上 |
| 〇〇駅 美容室 メンズ | 1位 | 3位 | 9位 | — |
| 〇〇市 髪質改善 | 4位 | 4位 | 5位 | 市名は距離の影響が小さい |
「圏外」は、一覧を20件ほどスクロールしても出てこない状態、と自分で決めておきます。
読み方の判断基準
| 結果 | 考えられる原因 | 次にやること |
|---|---|---|
| 店の前でも上位に出ない | カテゴリや説明文が検索語と合っていない(関連性)。オーナー確認が未完了 | カテゴリ・説明文・サービスの見直し |
| 店の前では上位、商圏の端で落ちる | 距離の影響。ある程度は正常 | 知名度(口コミ・写真・ホームページ)を積み上げる |
| 隣駅で圏外 | 距離の壁。隣駅に競合が多い | 隣駅名を説明文・アクセスページに自然に入れる。無理に狙わない判断も |
| 目的語つきだけ上位 | 目的語での関連性は高い | メインの「地域名×業種」の情報量を増やす |
| 先月より全体に下がった | 競合の強化、情報の古さ、口コミの停滞、Googleの表示変更 | 自店の更新状況を確認し、1か月は様子を見る |
競合の見方
自店より上に出ているお店のプロフィールを開き、口コミ数・評価・写真の枚数・最新投稿の日付・カテゴリをメモします。「口コミが自店の3倍」「写真が100枚」のように差が見えれば、やることが決まります。順位そのものより、この差を埋めることが対策です。
順位チェックツールが必要になるタイミングと選び方
順位チェックツール(MEOツール)は、指定した地点・キーワードの順位を自動で毎日記録するサービスです。多くは、地図上に格子状の地点を置いて、地点ごとの順位を色分けして見せる機能を持っています。ここでは特定の製品は勧めず、必要になる条件と選び方だけ整理します。
ツールが必要になる目安
- 店舗が3つ以上あり、手作業の月1確認が回らない
- キーワードが10語以上、地点が5か所以上になった
- 施策(写真追加・投稿・口コミ増)の効果を日単位で見たい
- 業者に依頼していて、報告の裏付けを自分でも持ちたい
逆に、1店舗でキーワードが5語以内なら、この記事の無料の手順で十分です。ツールの費用を、写真撮影や口コミの仕組みづくりに回したほうが効く段階です。
ツールを選ぶときの確認項目
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 地点の指定 | 任意の地点や、格子状の複数地点を指定できるか |
| 履歴 | 過去の順位が日別に残り、グラフで見られるか |
| 行動指標 | 表示回数・経路・通話など、プロフィールの数字も一緒に見られるか |
| 複数店舗 | 店舗を切り替えて一覧できるか |
| 費用と契約期間 | 月額か年契約か、途中解約の条件。「順位保証」とセットの契約は避ける |
| 権限 | プロフィールへの接続に「管理者」権限で足りるか(オーナー権限を渡さない) |
ツールの順位もあくまで目安です。ツールが示す順位と、スマホでの実地確認がずれることもあります。ずれたときは、実地のほうを信じてください。
順位より見るべき指標:表示回数・経路検索・電話
順位は手段であって目的ではありません。順位が上がっても、電話や来店が増えなければ意味がなく、逆に順位が横ばいでも行動が増えていれば集客は機能しています。
Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」で見る3つ
| 指標 | 意味 | 見方 |
|---|---|---|
| 表示回数(検索・マップ) | プロフィールが表示された回数 | 見つかっているか。順位の代わりになる指標 |
| 検索語句 | どんな言葉で表示されたか | 狙った言葉で出ているか。想定外の言葉は追加候補 |
| 通話・経路・ウェブサイトクリック・予約 | 来店に近い行動の回数 | ここが月単位で増えているかで判断する |
管理画面の表記や、さかのぼれる期間は変わることがあります。月初に前月分を表に書き写しておくと、期間の制限を気にせず推移を追えます。
月1回の記録シート(例)
| 月 | 表示回数 | 通話 | 経路 | Webクリック | 順位(店の前/端/隣駅) | 今月やったこと |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 4月 | — | — | — | — | 2/6/圏外 | 写真20枚追加 |
| 5月 | — | — | — | — | 2/5/12 | 口コミQR設置 |
「今月やったこと」を書いておくと、何が効いたかを後から推測できます。ホームページ側の数字と合わせた見方は「店舗ホームページの効果測定」で解説しています。
順位が上がったのに行動が増えないとき
写真が古い、口コミに返信がない、営業時間が違う、ホームページの入口が分かりにくい、のいずれかです。「選ばれる」段階の見直しは「Googleマップで集客する方法」を参照してください。基本の整え方は「MEO対策を自分でやる手順」に、地域ごとの競合の傾向は「地域別ガイド」にまとめています。
よくある質問
自分のスマホで検索したら1位でした。本当に1位ですか?
検索履歴や自店への訪問履歴の影響で、自分の端末では高く出やすくなります。シークレットモードでログアウトし、店の前・商圏の端・隣駅の3地点で確認してください。
順位チェックはどのくらいの頻度でやればいいですか?
月1回、同じ条件で十分です。日々の変動を追っても判断は変わりません。施策を打った直後だけ、2週間後にもう1回見ると変化がつかめます。
無料の順位チェックツールはありますか?
無料や試用期間のあるツールも存在しますが、機能や条件は変わりやすいため、この記事では特定の製品を挙げていません。1店舗で5語以内なら、スマホとGoogleマップでの手動確認で十分です。
順位が下がりました。すぐ何かすべきですか?
まず1か月は同じ条件で様子を見てください。1日〜数日の変動は珍しくありません。1か月続けて下がっている場合は、競合の更新状況と、自店の写真・投稿・口コミの停滞を確認します。
まとめ
- MEOの順位は検索した場所で変わる。「1つの順位」はなく、地点ごとに見る
- 無料の確認は、シークレットモード+ログアウト+位置情報オンで、3地点×3〜5語を月1回
- パソコンでは、Googleマップの地図を動かしてから検索すると地点を変えられる
- 結果は表に記録し、「店の前で出ない=関連性」「端で落ちる=距離・知名度」と読み分ける
- ツールが要るのは、3店舗以上・10語以上・日単位で効果を見たいとき。順位保証つきの契約は避ける
- 判断は順位より「表示回数・通話・経路・ウェブサイトクリック」の推移で行う